「今、皆さんは幸せですか」


この問いかけに首を縦に振ってYESと答える人達は少ない。


現に日本の幸福度ランキングは47位と他の先進国と比較すると低いことがわかります。


私達が幸せを感じづらいのはなぜでしょう?


メーテルリンクの小説「青い鳥」で次の一節があります。


「僕たち、ずっと遠くまでいったけど、この鳥、ずっとここにいるんだなぁ」


この一節からわかるように、私達は身近にある幸福に、中々気づかない。


幸福が近くに存在しても、私達が幸福を見出す目がないか、幸福を感じられる生き方をしていないだけではないのかもしれない。


では、幸福を見出したり、感じるためにはどのような考え方をした方が良いのでしょうか?




今日紹介させていただきますのは、J.ベンサムの

「功利主義」です。


ベンサムは人間を観察し、次のような結果を得ました。


「人間は誰でも快楽を求め、苦痛を避ける」


例えばゲームや漫画を見るのは楽しいですが、その反面勉強なのはあまり楽しくない。


これは多くの皆さんが学生時代に経験した事だと思われます。


ベンサムはこの結果をもとに、快楽と苦痛が幸福の基準となり、快楽の増大に役立つものが善、快楽を妨害し苦痛を与えるのが悪と判断する功利主義を提唱しました。


功利とは、幸福や利益を生み出すことを指します。


そして、功利の原則に従い行動するためにも、快楽と苦痛を量的に計算することが必要です。


例えば、暴飲暴食は現時点では大きな快楽となるが、疾病のリスクにより健康を損なうといった苦痛が大きくなる。


功利を生み出すために大切なことは、未来を通して幸福の量を計算し、合理的に行動なのだ。


最近の闇バイトもそうではないだろうか。


報酬という目先の利益にとらわれ、逮捕・前科付きという苦痛を合理的に計算すれば回避出来たのではないか。


幸福を生み出すのは、お金のような物質であったり、地位や名誉といった権威ではない。


己が将来に渡り快楽を満たそうとするための行動や考えが幸福を呼ぶのだ。