
ESQUERITA68にやって来た。
浜松の旅のメインディッシュである、ベーグルカフェのライブ会場である。
今回はここで矢野絢子がライブを行う。
チケット受付時、40名限定だった意味が良く分かった。
実に狭い。
最初は通常の営業をしながらだから限定なのかと思っていたけど、
そもそも40名がハコとして限界だったのだ。
実に雑然としたカフェで、オーナーの趣味全開である。
カウンター上にも何やらおいてあり、本来のカウンターとしてのスペースすら浸食されている。そして天井を見れば全て違うライト。
そしてキーボード。
・・・キーボード?
楽器博物館で散々、ピアノについてテンションを上げてきたとの言うのに、キーボード?
何というオチ・・と若干落ち込んだが、気を取り直しおいしいベーグルを食しながらしばらく待つ。

ムーンライトキャバレー。
今回の矢野絢子は他に二名の女史と一緒にライブツアーを行っていた。
その名がムーンライトキャバレーである。
始まると、まずはキャラクターの様にかわいらしいふくよかなダンサーが現れ、バーレスクダンサー:チェリータイフーンによりいきなり怒涛の渦の中に連れ去られた。キャバレーってこんななんだろうかという軽いショックと共に。
お次は我らがピアノ弾き語り:矢野絢子、声は絶好調である。
ゼンマイ仕掛け、ガールズスピリット、笑顔、出来たての新曲等自由奔放な(女史)魂?を歌い上げる。まっすぐブルースでは会場が一つになる。これはこれからのワンマンでも定番になりそうな感じがした。
最後はオルガン弾き語り:中ムラサトコの登場である。
今回は彼女のファンが結構多い様で、隣の方もそうだったのだが話を聞いてみると、声楽の様であるとか雰囲気にハマるとか果ては言語として聞き取れないとか、実に楽しそうな感想を持たれていて期待していたが、結果は期待通りだった。
まず声自体がすごく綺麗で、それなのに途中で動物の鳴き声っぽいのとか、ボイパっぽい要素が入って来てすごくギャップを感じるのだが、不思議と楽しく、感性の世界に引き込まれる。何より歌っている時の本人の表情がとても楽しげで、見ているとこっちも楽しくなって来るのだ。
アンコールでは3人が協演し、ムーンライトキャバレーの渦は嵐の様に一つとなって会場を大いに沸かせた。定員が少ないからと言って盛り上がらないライブなんて無いと気付いて、むしろ普段とは違った楽しさで元気をもらったのだった。