12:59。
開始一分前に到着したのは演劇ユニット888(トリプルエイト)の「軋み 」という公演。

--『あしがこした』
妻の傍らに、一つの死体。そして、彼女は意味不明な一言を呟いた。
妻は人気漫画家。テレビドラマ化が決まり、映画化も決まっている。
私は働いていない。
そんな私でも、愛人なんてものがいた。妻のアシスタントだ。
妻の編集者は私と彼女の関係をうすうす気づいていたが、何も言わなかった。
『あしがこした』
妻は「あたしが殺した」と言ったのだろう。
編集者は当たり前の様に”私”に自首するように勧めた。--
(パンフレットより)
ようやく売れ始めた漫画家としての、有望なはずだった未来。
うつつを抜かしていた夫が悪いのか、殺してしまった妻が悪いのか、夫に近寄り、妻を蹴落とそうとしたアシスタントが悪いのか、はたまた”才能”を冷徹に監視し寄生するかの様にある時は守り、またある時は乗り換えようとする編集者が悪いのか・・・。
こんな風に書くと、シリアス物かと思われるかもしれないが、その中にはいくつかシリアスだけではない要素も入っていて、例えば内密に行う死体処理のプロがいて、何故か編集者のコネで彼に依頼をしてみたり(後にこれまた何故かオカマアシスタント役で出る)、殺されたアシスタントのチョット足りない彼氏が出てきて夫と乱闘になったり、果ては殺されたアシスタントが頭に血のりの付いたままむくりと起きてきて「あ~ねちゃったなあ」と言ってみたり(過去に戻ったシーンだと思うが、何故か血のりを普通にタオルで拭っていた)。
実に濃い内容ではあった。印象的なシーンも満載だった。
しかし俺は演劇という物を何も知らない人間だから、このギャップにすっかり混乱してしまっていた。人殺しをテーマにしていて、俳優も一生懸命なのは分かるのだが、一体笑ったらいいのか、悲しんだらいいのか、分からないまま終わってしまったというのが率直な感想だった。おそらく、俺の読解力が足りないのだ。俺は普段あまり連ドラとか見ないし、本は好きだが小説はあまり読まない事と関係があるのかも知れない。・・・いや、単純に好みの問題か。
演劇と一言でいっても、その内容は限りなく多岐に渡るのだと改めて知ったのだった。
ただ、予約も遅かった割には前から2列目の席だったので俳優の迫力(とツバ)はビシビシと感じた。
開始一分前に到着したのは演劇ユニット888(トリプルエイト)の「軋み 」という公演。

--『あしがこした』
妻の傍らに、一つの死体。そして、彼女は意味不明な一言を呟いた。
妻は人気漫画家。テレビドラマ化が決まり、映画化も決まっている。
私は働いていない。
そんな私でも、愛人なんてものがいた。妻のアシスタントだ。
妻の編集者は私と彼女の関係をうすうす気づいていたが、何も言わなかった。
『あしがこした』
妻は「あたしが殺した」と言ったのだろう。
編集者は当たり前の様に”私”に自首するように勧めた。--
(パンフレットより)
ようやく売れ始めた漫画家としての、有望なはずだった未来。
うつつを抜かしていた夫が悪いのか、殺してしまった妻が悪いのか、夫に近寄り、妻を蹴落とそうとしたアシスタントが悪いのか、はたまた”才能”を冷徹に監視し寄生するかの様にある時は守り、またある時は乗り換えようとする編集者が悪いのか・・・。
こんな風に書くと、シリアス物かと思われるかもしれないが、その中にはいくつかシリアスだけではない要素も入っていて、例えば内密に行う死体処理のプロがいて、何故か編集者のコネで彼に依頼をしてみたり(後にこれまた何故かオカマアシスタント役で出る)、殺されたアシスタントのチョット足りない彼氏が出てきて夫と乱闘になったり、果ては殺されたアシスタントが頭に血のりの付いたままむくりと起きてきて「あ~ねちゃったなあ」と言ってみたり(過去に戻ったシーンだと思うが、何故か血のりを普通にタオルで拭っていた)。
実に濃い内容ではあった。印象的なシーンも満載だった。
しかし俺は演劇という物を何も知らない人間だから、このギャップにすっかり混乱してしまっていた。人殺しをテーマにしていて、俳優も一生懸命なのは分かるのだが、一体笑ったらいいのか、悲しんだらいいのか、分からないまま終わってしまったというのが率直な感想だった。おそらく、俺の読解力が足りないのだ。俺は普段あまり連ドラとか見ないし、本は好きだが小説はあまり読まない事と関係があるのかも知れない。・・・いや、単純に好みの問題か。
演劇と一言でいっても、その内容は限りなく多岐に渡るのだと改めて知ったのだった。
ただ、予約も遅かった割には前から2列目の席だったので俳優の迫力(とツバ)はビシビシと感じた。