10月末の3日間、九段下の科学技術館で『宙博2010』という特別展示があった。
宇宙をテーマに今の日本の最新技術や最新の研究などの展示、宇宙関係の講演が満載の
今年まだ2回目のイベントである。
これ、HPを見ると”研究者に質問しよう!”など子供向けのイベントにみえるのだが、
いやいや全く、大の大人が行ってもワクワクドキドキしたのだった。
太陽観測衛星『ひので』の活動紹介や、『すばる望遠鏡』の後継となる次世代巨大望遠鏡計画『TMT』
の紹介、筑波の粒子加速器の実験紹介、実用化されたばかりの一人乗り電気自動車の紹介、
もちろん衛星開発を手伝っている三菱やメガスターの大平技研、望遠鏡メーカーのVixenやNikonのブース
などなど紹介されるジャンルは多岐に渡る。
一個一個説明していられないので、印象に残ったモノをひとつふたつ。
太陽光発電を宇宙でやってしまおうという研究が進められている。
上空36000kmの静止軌道に太陽光発電をする人工衛星を打ち上げ、そこから地上の受電施設に
マイクロ波でエネルギーを送るという壮大な計画だ。
宇宙で受ける太陽エネルギーは地上よりもかなり効率が良いので、原子力発電所一基分の
発電力があるらしい。しかも静止軌道なので24時間発電可能である。
日本はエネルギー輸入国である。
しかし衛星の角度を少し変えてやればアジア圏にエネルギー輸出する事も可能となり、
今までとは諸外国との立場が逆転するかもしれないのである。
クリーンエネルギーでエネルギー保有国となるのだ。
30年後の実用化を目指しているという。
今、日本では宇宙へのアクセスはJAXAしか無い。
JAXAのロケットは最近、かなり精度が上がって来ている。
しかしその分輸送費用がかかるので一般企業や個人ではなかなか宇宙へ行く(送る)のは大変だ。
そこで、一般企業でロケットの開発から打ち上げまで管理しようという組合が作られた。
まだ民間企業で開発、制作された衛星は一機(かがやき)しか無いが、それを作った団体だ。
まだ組合の段階だが、いづれはJAXAよりも廉価で宇宙に飛ばせるサービスを提供したいと語っていた。
ついに宇宙輸送にも公的機関vs民間企業の構図が出来上がる・・時代は変わるのだと実感せずには
いられなかった。
三菱ブースで展示されていたイオンエンジン。メーカーが違うので『はやぶさ』の物ではないが、
作りはほぼ同じだ。
講演のブースでは『はやぶさ』ミッションの担当者がここだけの裏話をしてくれた。会場は
笑いが絶えないという異例?の講演となった(笑)内容は・・・ここだけの秘密か?
一番最期のブースでは小型ソーラー電力セイル実証機『イカロス』を紹介しているブースで
”イカロスを操縦して金星に辿り着く”
PCゲームが置かれていて、見事一発で金星到着!景品としてイカロスピンバッジ(非売品)をゲットした。
そんなこんなで上機嫌にて帰宅したのである。