ポーラ美術館に行ってきた。
抜けるような青空、それでも箱根は吹く風が心地良かった。
現在、ポーラ美術館では杉山寧を始めとする所蔵日本画展を開催している。
他には横山大観、平山郁夫、東山魁夷など名前を聞くだけでワクワクする顔ぶれだ。
というのも、個人的に好きな秋野不矩という画家がいるのだが、彼女と同時期に活躍したのが彼らで、いつか彼らの絵を企画展で観たいと思っていたのだ。
明治から昭和初期の日本画家は、新しく入って来た西洋画と、旧来の伝統的な絵(単純に言えば水墨画)との狭間で自分達の表現を模索し、様々な画家がそれぞれの方法で自分独自の表現を試行錯誤しながら、結果として化学反応を起こしまったく新しい日本画というスタイルを生みだしていったという熱い時期でもある。
だから今回の企画展の様にまとめて観ると、絵という動かない、何も言わない媒体であってもその美しさの背後には相当の苦悩が秘められているというのが伝わって来て、ついつい浸ってしまう。苦悩があるからこそ、西洋画とは一味違う絶妙な色彩感や生命感、力強さが出せるのだとも思う。
もう一つの部屋にはルノワールやゴッホ、ピカソ、モネなど、こちらも素晴らしい顔ぶれを始めとした西洋画が展示されていた。こちらも美術の教科書でお馴染みの絵が展示され、凄く見応えがある。日本人の西洋画もあったがそれらもやはり”挑戦”しているわけで、決して外国人の絵が嫌いなわけでもないけれど、日本人の画家の魂にいたく感銘を受けて帰って来たのであった。