当初の目的である大平氏の生解説のプラネと、興味のある人工衛星の企画展も見終わった所だが、せっかく千葉まで来たのだから科学館の常設展示も見ていかなければ勿体ない。


ところで、(千葉県立)現代産業科学館というのはとても分かりにくい名前の様な気がしないだろうか。”現代”と言われると歴史か?と思うし”産業”と言われると経済か?と思ってしまうし、挙句に”科学”まで付いているのだから・・・。

まあ、実際に見てみると科学館であるし、科学が現代産業に繋がっているというのが良く分かるので、この命名は至極真っ当であることに気づく。

それどころか、この科学館は内装がとても綺麗で展示物もショーケースにスポットライトが当てられていたり、展示自体も比較的新しい研究が取り上げられていて、本当は「軽く」見て帰るつもりだったのに見始めると(これは面白そうだ)と思い、大の大人が閉館までかじりつきになってしまったのだ。ウソではなく本当に閉館時刻が早かったと感じた、これは科学館で日本代表と言っても過言ではない科学未来館以来の感覚だった。


科学館の運営や展示物の管理、入れ替えなどには少なからず金額の要るところだと思うが、これだけの設備・展示を揃えるには割と潤沢な資金が必要なはず。この施設は県の財政方針によって潤っているのか、それともテーマの現代産業を取り扱っているが故に先端技術産業を担う産業界・大手会社からの資金提供が見込めたのか、前述の管理・運営の難しさによって世間とは隔絶してしまった様な科学館も多い中で、今、生きている科学を学べる事の喜びを十二分に堪能したのだった。


続く


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・エントランスホール。中央の歯車の様なものは昔千葉県で使われていた火力発電所のタービン。

これ一台で県内の電力をほぼ賄っていたそうだ。


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・展示室は薄暗く、スポットライトが所々にある大人びた雰囲気。展示物に集中できる。

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・各コーナーにこの様なショーケースがある。このように科学を”美しく”展示する工夫はなかなか他の施設では出来ていない。科学館でこんなに撮ろうという気にさせられたのも初めてだった。


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・話題沸騰のカーボンナノチューブという炭素で出来た新素材。実物が見れるとは思わなかった!


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・くるくると回っていて側面のガラスが視野選択ガラス(うろ覚え・・)と言う、見る角度によって透明になったり擦りガラスになったりする特殊処理されたガラス。一般的にガラスは透明か不透明という認識しかないので、これは見ていると瞬時に透明⇔不透明と変わるので不思議だ。写真は変化の瞬間。


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・情報のコンパクト化をモチーフにした展示だが、比較される本が「南総里見八犬伝」というのがさすが、千葉県。

さりげないコダワリ、大好き。

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・じっくり見ると決めた以上、実験コーナーも最前線で見学。液体窒素の超伝導と液体酸素の鉄をさらに燃やす液体というテーマだった。このおじさん、凄くいきいきしていた。


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・落雷実験装置。写真では伝わりづらいかも知れないが、装置が非常に大きくて、こんなもの施設内に置いて大丈夫か?と思ったほど。

雷を間近で見ると、実際の100分の1でもド迫力!


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・階段の吹き抜けを利用して建てられている溶鉱炉のスケールモデル。この科学館のトレードマーク的存在である。


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・ずらずらっと並んだ協力団体・企業の一覧。そうそうたる顔ぶれである。これだけ居れば、なかにはアヤシイ研究団体も潜んでいそうな気も・・・。