うどん打ち。
実は俺はデイサービスに努めており、うどん打ち企画を行った。
デイサービスは基本的にやはり平均寿命は女性の方が長いというデータ通り、お客様は女性の方が圧倒的に多い。
社会の仕組みとは面白いもので、いくらその時代の優位性が男性であろうが、その場で女性が多くなると女性の方が何かと優位になるのだ。
というわけで、普段肩身の狭い男性のお客様に向けた企画を!ということでメンズデーと称し、昼食のうどんを男性の手打ちで打つことになった。
とは言え昔は女性が料理をほとんどしていたから、打った事はないという方がほとんど(かくいう俺もうどんは打った事がない)で、一抹の不安があったのだが・・・
実際始まってみると、皆様頑張る頑張る!場合によっては俺がほとんど打つ事になるかも知れないと密かに思っていたのだが、練りも延しも切りもお客様が行ってくださり、表情はいつしか皆でひとつの物を作り上げる顔に・・。
時間が足りないと見ると、寝かせてないで延してしまおうと声が上がって来たり、皆で延しながら延しが足りないとか、打ち粉をもっと振ってあげてとか、まるで日本代表の様な(大げさ・・)チームワークが生まれていた。
結局完成は少し遅くなってしまったけど、召し上がっている皆様の顔はとても満足そうで、俺も一安心だった。
一番不安がっていた方は、実は「昔やらされていた」らしく、メンズの中で一番手際が良くてビックリ。
本人曰く「俺もビックリしたけど手が勝手に動いて」いたらしい。
昔やっていた事は体が覚えているとよく言うけれど、まさしくその現場を見たのである。
老いてもなお。
人の体って素晴らしい。