今日は高校卒業後からの事を書いていこうと思う。

 

高校卒業の頃にはスマホは存在しないものの、自宅にもインターネットが普及した。

俺は音楽系の専門学校に通うことが決まっていて片道3時間程かかるところだったが実家から通うことになっていた。別に親に許されなかった訳ではなかったが通えるだろうと自分で思っていてそういう話にならなかった。

卒業してから入学までの間は中学や高校の友達と毎日のように遊んでいたのが記憶にある。

そんなある日インターネットで「同性愛」や「ゲイ」について検索をしたのだ。

そうすると検索結果に衝撃を受けた。

いわゆる「ゲイの出会い掲示板」が出てきたのだ。

しかも先頭の方に。

そっちの事に全くの未知だった俺は恐る恐るその掲示板をクリックした。

その先にはいろんな人の顔写真とプロフィールなどが掲載されていて相手を募っているものだった。

一瞬時が止まった。

見てはいけないものを見てしまった?

これは本当に実在するのか?

男女でいう出会い系サイトみたいなものなのか?

頭の中は混乱状態だった。

しばらくするととてつもない好奇心が押し寄せてくる。

ここに載せてる人は本当にいるのか?サクラではないか?

17、18の自分にはそれくらいにしか考えられなかった。

写真の中には「この人本当にゲイなのか?」と思えるほどカッコいい人が沢山いた。

メールを簡単に送れるようになっていて恐る恐るメッセージを送ってみた。

疑っていた自分はどうせ返事も来ないだろうと思っていた。

来たとしてもどっかのサイトに繋がって会員登録しろみたいなのだろうと思っていたからだ。

するとすぐにメールの返信がきた。

俺の写真を要求されたのだ。

本当に返信がきた。。。

それでも半信半疑だった。

でもこちらの顔もわからないと相手側も返信に困るのも確かだ。

ここで初めて自画像を撮った。

しかもなんとか少しでもよく見えるよう何度も撮った。

そんな事をしている自分に「何その気になってんだ?」と思いながらも自分の写真を撮って相手に送った。

するとお礼の返事といろんな質問がきた。

タイプや住まい、趣味や最終的に何を求めているか。

何もかも初めてだった俺は正直その事を伝えた。

その人は優しくいろいろ教えてくれた。

掲示板のこと、ゲイの世界の事、タチやウケが存在する事。たくさんの事を。

歳ははっきり覚えていないが恐らく7、8個上の人だったと思う。

すごく不思議な感覚だった。

俺、今ゲイの人とやりとりをしている。出会い系を使って。

なぜか少しの罪悪感もあった。

誰にも話せない。

自分だけの秘密を作ってしまった。

高校卒業と同時に新たな扉を自ら開いてしまった。。。

後戻りの出来ない事なんて知りもせずに・・・