会議室に入ると、社長、総務課長、工場長の3人が私を待っていました。


社長「今回はこういった結果になって・・・」


そんな下りから話が始まったでしょうか。
そして、なぜこの工場が閉鎖にならなければならないのか、5分くらい説明がありました。


私「はぁ、はい。そうですね」

私は、覇気の無い返事を返していたと思います。

ぼーっとしながら聞いていると、

社長「で、X工場が閉鎖ということで、Sさんには是非F工場に来て欲しいと思っているけど、どう?」


いっきに目が覚めました。


私「私もよく考えたのですが、X工場が閉鎖ということになると、やはり辞めるしかないと思っています・・・。」

社長「・・SさんにはF工場での実績もあるし・・・、どうしてもいけない?」

私「いえ、F工場に行くということは、今すんでいる所を手放すということですし、仮に単身でF工場にいったとしても、X工場が無いということは、”手当て”が付くことはないんですよね。」

社長「・・・」


そこへすかさず、総務課長が、


総務課長「そういうことになります。」


サラっと、答えました。




私「仮にF工場に行ったとしても、いつかはここに帰ってくることになるので、F工場に行くということは、私の人生に対する問題の先送りになると思うんです。」

私「辞めさせていただきます



とうとう言ってしまった・・
これで後戻りは出来ない・・・


社長「そうか・・ 残念だね・・」


あんまり残念そうに聞こえませんでした・・・


会議室を後にした、私は

・物事が決まって少しスッキリした気分
・会社を裏切った様な嫌な気分
・会社が私を認めてくれた高揚感 ← 社長は皆にそう言っていたと思いますが・・
・会社を辞めて収入が無くなることへの不安






いろいろな気持ちが私の心の中をひどく混乱させていました・・

・・・月曜日がやってきました。

社長との個人面談がとうとうやってきました。

面談の日程は月曜日と火曜日の二日間で全員に対して実施するという連絡がありましたが誰が何時くらいということは聞いていません。




・・

・・・ぜんぜん仕事が手に付かない。






10時くらいでしょうか。工場長から連絡が入りました。
工場長「Sさん、ちょっといい?」



いよいよ、決断するときが来ました・・。
スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)スー( ̄。 ̄)



さて・・・  深呼吸したところで、



会社に残るか、退職するか・・・



会社に残るということは、F工場に行くということ。
F工場からX工場へは、新幹線、在来線を使って4時間半くらいの場所にあるため単身赴任(X工場がなくなるから出稼ぎか・・)か家族を連れて行くということになります。
ちなみに、私はF工場へ3年ほど、単身赴任していたことがあり、私自身はF工場に行くことは嫌ではありません。
現在では、X工場付近に持ち家があり、F工場に家族を連れて行く場合家を売却か賃貸することが必要です。
ただ、ものすごい田舎なのと不況で、それは絶望的です。

仮にF工場へ出稼ぎ(単身赴任)にいったとしても、その先何があるというのでしょうか。

毎月一回、金曜日の夜に、嫁と子供の顔を見に、片道4時間半電車に揺られて自宅に帰って日曜日の夜に会社へ出て行く・・
以前、F工場に単身赴任していたときは、 ”期限” があるから、何とかやっていけたと思います。

今回は・・・ 10年?15年? 定年まで?

それとも、景気が回復した時に自主退社して、就職活動?

ほんとに回復するのか? いつ回復するんだ? 

そもそも、自○車売れすぎだっただろ。

「だったら今辞めてもおんなじだ。」







私の心の中で、会社に対する忠誠心という積み木がガラガラと音を立てて崩れていくのがわかりました。