- リベルタスの寓話/島田 荘司
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最近の作品と思ってたんですが、
2007年と、結構前にでたということに驚いた、島田荘司さんの作品です。
御手洗シリーズでは一番直近の作品かと思いますが、
今回も御手洗さんは超多忙な為、電話のみでの登場で、
ミタライアンとしては少々寂しくもあります。
このまま安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)
となってしまうのでしょうか?
さてこの作品ですが、
題名にもなった「リベルタスの寓話」と
「クロアチア人の手」の中篇2作品が収録されています。
ちなみにネタバレ的なところは反転仕様にしています。
(若干ネタバレでも書いてる場合があるかもです(^_^;))
まず、「リベルタスの寓話」ですが、
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ共和国のモスタルで
奇奇怪怪な大事件が起きたことから始まります。
事件の奇怪さから困り果てた調査員上層部は御手洗さんの頭を頼りに
外国編でのワトソン役:ハインリッヒ・レーンドルフ・シュタインオルトさんに話を持ちかけます。
この事件では4つの死体がでて
内、3つの死体には頭部がない状態。
しかも、もう1つの死体は腹が裂かれ、
臓器という臓器が取り出され腹腔内には形状の似た別のもの
(それはフラッシュライトでありマウスであり携帯電話であったりします)
が詰め込まれているというもの。
更に、この4つの死体の男性器が切り取られる。。。
その上、現場で作業をされたらしく、
そこは赤黒い血の海という悲惨な状態であったという。
・・・考えただけで気持ち悪くなります。
しかもこの作業に何の意味があるのか。。。
このおどろおどろしさと摩訶不思議さは魅力的でした。
途中にある過去編ドゥブロブニクの話は、
自由と平等を目指しているドゥブロブニクについて語られていて、
考えうる理想的な国家のように思えます。
日本も見習えばな~とか思っちゃいます。
ただ、選挙時のリベルタスの儀式は創作のようで、
あとがきでそのことに触れてました。
この夢の中のような過去の話があるのも島田さんらしいなと思います。
不思議な話は司祭がリベルタスに殺されるとこで終わるのも
何かを暗示している感じで好きです。
下記ネタバレ注意です!!
現場に残っていた犯人の血液がO型ということで
最重要参人ディンゴを捕まえれなかったのですが、
御手洗さんの助言によりキップリング少尉が我が物顔で逮捕します。
御手洗さんの言を繰り返しただけなのに偉そう。。。
ただ、
骨髄幹細胞の移植によりO型からA型に変わったとかわかんねーよ!
と思わなくも無いです。
クルポの腸を使って貨幣を持ち出すアイデアは予想外
(但しソーセージを連呼されたのでのちに気づきますが(^▽^;))で、
とっさの気転により事件が複雑になるのも御手洗さんものならでは。
エピローグの話(公開レイプの話)は正直きつかったですが、
でもこういったことが歴史的にあったという事実は知らなければいけないことなのかもしれないです。
仮想ゲームとか民族紛争とか魅力的な題材で、
仮想ゲームを使ったお金の流通や
民族間の歴史はそれぞれで面白かったのですが、
推理の部分は私的にあう~な感じでした。
でついに石岡さんのお話「クロアチア人の手」
俳句の賞を受賞したクロアチア人2名が日本に招待され、
その宿泊先で密室殺人事件が発生。
当初その部屋主が殺害されているのかと思われましたが、
隣に宿泊していたクロアチア人がその部屋で殺害されていて、
当の部屋主は外で車に轢かれ亡くなっているとのこと。
久しぶりに電話で話す御手洗さんと石尾kさんですが、
御手洗さんの不機嫌な態度にしゅんとする石岡さんは和みました(*^▽^*)
密室・入れ替えられた部屋・ピラニアに食べられた右腕と顔・つながった水槽、
そこから筋の通った推理が展開されるのは凄く良かったのですが、
トリックはう~むな感じでした。
今作は、トリックは私はちょっと納得できなかったのですが、
ストーリー部分は魅力的でしたので、
そこを楽しんでいただければな~と思います。