美味いもん

高校まで野球に明け暮れて休みなく頑張ってきた。
ランメニューが嫌いで上手くサボってはごまかしてたがある時それがバレてみんなの前で指摘されて怒られた。当然の報いだ。
大して上手くは無かったが野球が好きだった。すぐ形にならない努力は苦手だった。
高校までずっとやってきて腰を痛めたことが無かった。
腰だけは強いんだよねとある種誇りに思ってた。
今年のGWに連勤が続き背中の張りがきてそこから腰が痛くなってしまった。これが老いってやつで避けられない宿命なのかとショックを受けたがそれもまた受け入れた。

バイトは大学時代からしていたが4時間以上働くことに抵抗があった。
なるべく人と関わらない職種を選び4~6時間で帰れるシフトしか組まなかった。
今はどうだろう。気づいたら12時間働いている。
最初はもちろん鬱だったし正社員でも無いのにバカだなと自分の愚かさと全てから逃げてきたことを恨めしくすら思った。
でも2週間経って感じるのは意外とやってみたら出来るもんだしその中にも楽しさを感じることが出来ている。だった。
もちろん家でゲームしてた方が楽しいしうちゃと何気ない話をしながら過ごす時間の方が幸せだ。
でも働けることの幸せを噛み締め対価の賃金を得て自分の好きな暮らしを展開していくこともある種幸せなんだなと働いてみて感じた。
それと同時にこの苦労と良さをもっと早い段階で経験しておけばよかったと後悔した。

もうすぐ土用の丑の日だ。家族でうなぎを食べた記憶が無いし家族の誰かがうなぎが好きだという話も聞いたことがなかった。
今日晩御飯の時何気なくその話になり｢でもうちはうなぎ好きな人いないでしょ｣というとまさかの父親も母親もうなぎが好きとのこと。
今月は頑張ったと言えるくらいには働いている。
来月の給料後、初の親孝行としてうなぎ屋さんにでも連れて行ってあげようかな。