子夜呉歌 其二 夏 李白
鏡湖三百里
函萏発荷花
五月西施採
人看隘若耶
囘舟不待月
帰去越王家
鏡湖 三百里
函萏かんたん 荷花かかを発ひらく
五月 西施が採とるや
人は看みて若耶じゃくやを隘せまくす
舟を囘めぐらして月を待たず
帰り去る 越王えつおうの家
鏡湖は周囲三百里
蓮のつぼみが花ひらく
夏の五月に西施はハスの花を摘み
見物人が集まって 若耶渓も狭くなる
舟を向きをかえて 月の出を待たずに
西施は 越王の御殿へ帰ってゆく
李白の子夜呉歌は、秋の詩が知られていますが、四季それぞれに女性が登場します。
夏の詩には船に乗る西施が蓮の花をつむ風情が詠われています。