昨日借りた映画、今日はこちらを見たよ。
西部劇ですが、今から10年前くらいの映画。
ラッセルクロウ、強盗集団のボス、ベンを演じています。一応悪役です。
でもただの悪党じゃなくて、絵をたしなんだり、子どもの頃に読んだ聖書を丸暗記していたり、女性や子どもにはやさしかったり(こっちもそういうキャラですね)・・・
でもめっちゃキレると怖い・・・やっぱ悪党だわ。
もう一人の主人公、報酬の200ドルの為にベンを駅まで護送する役目を負った貧しい牧場主ダン。
子ども達や妻にはダメな夫、父親と写りますが、いやいや、さっき強盗殺人を働いたばっかりのベンに『俺の牛を返せ』とか『子どもの報酬も払え』って正々堂々と言えたりするのはやっぱり元軍人、立派なものだと思いますよ。
今までの誰とも違う反応を示したダンだからこそ、ベンもダンに興味を持ったのではないでしょうか。
普通なら怖くて逃げちゃいますよね。
自分は頑固じゃないと言いつつも、いつも毅然とした凛とした眼差しが素敵でした。
相反する二人が少ない会話やしぐさで心を通い合わせる・・・
男性にしか出せない世界観だと思いました。
ほんと、男ってケンカしたり殴り合いしながらも判り合えるんですよね。
最後に部下のチャーリーを撃ってしまうシーンは賛否両論ですが私は何となく理解できる気がします。
先にチャーリーが銃に手をかけましたよね。それが答えだと思います。
丸腰の人を殺したり、ベンがNOと言っても止めなかったり、チャーリーのやり方はベンの流儀に反していたのかもしれません。
ベンはダン一家、特に息子との姿に、自分が憧れとする父と子、家族像を見ていたのかなぁ。
夕食のシーンなんて、ダンに甘える子どもの様だった。
ベンは子どもの頃、母親に聖書を渡され、これを読んで駅で待っていろって言われて3日間かけて読んだ・・・って話をします。
結局、ベンは駅で母親に捨てられたってことになるけど、3日間かけて読んだってことは、3日間駅で母を待ってたことでOK?
だとしたら・・・子どもの頃のベンはどんだけ良い子だったんだ・・・・。(涙)
そんな目に遭ったのに『母を悪く言うな!』って・・・(号泣)
緑色の瞳に執着しているのは、母親の目がグリーンアイズだったのかしら。
ベンは賢かったらしく、その聖書を丸暗記。
銃のグリップにはイエスキリストの架けられた十字架。実は信仰心厚いのでしょう。
数々の悪事を働いてきたベンをつき動かしていたものは、心の中の正義感からだったのかもしれないなぁ。
ベンが映画中で殺した人って皆、良いことをした風な、実は陰では悪いことした人ばかりなんだよね。
それ以外は手を出していません。
ラストシーン間近、銃口を向けたウイリアムに対する罪悪感でいっぱいの無防備なベンの表情が印象的でした。
こんな辛そうな顔をしたのはこの映画の中でここだけでは?
多分、ここでウイリアムになら撃たれても良いと覚悟したのだと思います。
ダンは息子達や妻に誇れる父、夫となれたことに満足し、旅立っていきます。
ベンもダンの為に列車に乗り込みます。
ダンは列車が出る前に亡くなったのだから、ここで敢えて列車に乗り込まないって選択肢があったのにもかかわらず。
もう涙、涙・・・
立場とか悪とか善とかそんなものを超えたところの、なんて素敵な男の友情。
ベンはユマの刑務所を脱獄どころか、汽車から脱走しちゃうと思うんだけど、その後は仲間もいなくなった(自分で始末した)し、どうするのかなぁ。
私は、新たに仲間を作って変わらぬ日々を過ごしつつ、残されたダン一家にこっそり仕送りでもするんじゃないかなぁと思ったりする。
この映画にロビンフッドで仲間になる人が出てます。
この映画ではラッセルクロウに殺されてますが、あちらでは最後まで仲間です。
どっちも男臭くて良い映画だった~。
次は何を借りようかなぁ~