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くればのブログ

上越市を中心に活動する SingerSongWriter 中村賢一

石川雲蝶の作品と出会う

 

 

 

 

 

 

まだ半分も上っていないのに、息が切れた。
 
440段の階段は、さすがにきつかった。
 


石動神社の、最初の鳥居をくぐってからかなり上っているのに、
まだ頂上が見えない。
 

緑色の世界のど真ん中に居る。
右を見ても左を見ても、
まっすぐに生茂り、空を埋め尽くしている木しか見えない。
 
上を見ればどこまで続いているのかわからない階段
下を見れば上ってきた階段しか見えない。
 
自分以外の人間は
居ない。
 
 
上りはじめた頃とは、また違った生き物の声がする。
『ぐえー』 『ぎやー』
って、何の声だろう?
 
何かが飛び出て来ても、
逃げ場がない恐怖を感じながら上った。
 
 

 


どれだけ上っただろう。
 
無心に上った。

 


 

 


ようやく見えてきた2つ目の鳥居


 

 


脇には小さな狛犬
 

 


っと
すぐに 神社を守っている通常サイズの狛犬が見えた。
 


 
向拝に彫られている竜が気になるが
先ずはお参りをした。


 
 


石動神社は、
江戸時代の元禄11(1698)年に、遷宮(せんぐう)されたと伝えられ
明治元(1868)年に火災により拝殿が焼失し、
その再建に合わせて石川雲蝶が彫刻を製作したと、立て看板には記してある。
 
向拝の竜は
夜になると山中の池に水を飲みに降り、
人々が怖がったとの伝説がある。
この時、雲蝶は、右に向いている竜の首を左にすげかえて、
この事件を解決した。
 



 

 

 

拝殿に入ると、一気に空気が変わった。
というより、
また変わった。
 
空気が止まった。
 
外は風があったわけではない。
 
静寂
 
 
直ぐに彫刻を発見した。
 
『すごい!』

 

 





 

 

 

今にも動き出しそうである。


ひとつひとつの部分が、観る角度で変わる。
 
木から彫りあげたとは、とても思えない。
  
鵺退治 妖怪蜘蛛退治の彫刻を発見。
 
すぐそこにあるのだ。
脚立に乗れば手が届くほど、
すぐ近くに、堂々とした彫刻があるのだ。
 
この、無防備な状態に驚いた。
遮るものが何もない
 
ガラスケースに入っていたり、ロープが張られていたりと
不自然な状態ではなく、
 
そこに、堂々と存在する作品
 
まさに、圧巻である。
 
 
木像 おびんずる様
直ぐに触ることができるところにある。
 
だけど
そんなことはできない。
怖くて手が出なかった。
 


 おびんずる様 : 石川雲蝶の作品


 
時間が足りない・・
 
タクシーを神社のはるか下に待たせてあるのだ。
 
20分くらい、ここにいただろうか・・
 
もっと、いろんなところを観たかったのだが
後ろ髪をひかれる思いで、拝殿から外に出た。
 
相変わらず、
聞いたことの無い、けものの鳴き声がしている。
 
そして
鳥居をくぐる前に、
神社側から狛犬と鳥居の写真を撮ろうと思い、
カメラを構えた時だった。
 
『ぐ~~』 という低い声が聞こえたと思ったら 
直後、
『がさっ』
と、音をたてて 右側にあった木が揺れた。
 

驚いて
一、    二歩 後ずさりした。
 
鳥じゃない・・
鳥だったら、飛び立っていくはずだ。
『何?』『何なの?』
 
腰が抜けそうになった。
 
 
見上げた空は、抜けるように青い
 
 
 
鳥居をくぐり、
再度一礼をして、階段を駆け下りた。
 
上りと違い、
足取りは軽快なのだが、
 
やっぱり遠い
 
惰性で下っていくと
足が重力を失ったみたいに、軽くなった。
 
 
やっと、最初の鳥居が見えてきた。
タクシーは反転し、狭い入口に横付けして待機しているのが見える。
 
階段の下の鳥居をくぐって、再度、一礼
 
下界に降りたって感じだった。
 
元の世界がそこにあった。
 
境内で 揺れた木に居たのは、 
鵺(ぬえ)だったかな・・やっぱ・・(笑)
 
 
 
効きの悪いクーラーで涼をとりながら
次の目的地 『総本山 本成寺』に向かった。
 


本成寺にも、たくさんの 石川雲蝶の彫刻がある。
 

 


 

今回は十分な時間が無かったので
唯一、有料でしか見ることのできない
牛の間に、入った。
 
ここには、火災を逃れた 赤牛 がある。
 
遠くを見る優しい目をした牛である。
 

 


もっとたくさんの作品を観てきたかったのだが
今回はここまでとした。
 

石川雲蝶のお墓
  

 

 


帰りは、特急しらゆき に乗り、
一日の出来事を思い返しながら帰路に着いた。
 

 

 

 


日はもう、西の空に沈みかけていた。
 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。