今回は映画です😃📽️
1977年に公開された市川崑監督作品『悪魔の手毬唄』からある場面のワンカットを取り上げ、カメラのフレームの中における俳優の動きに注目したいと思います😉
鬼首村(おにこべむら)で起こった連続殺人事件。
休暇中の磯川警部(若山富三郎)から別件で呼ばれていた金田一耕助(石坂浩二)が事件の真相とトリックに挑んでゆくことになります。
最初の事件現場である滝壺。
殺害されたのは由良泰子(高橋洋子)でした。
早々と現場に到着していた金田一、磯川警部、中村巡査(岡本信人)、そして立花捜査主任(加藤武)。
そこへ村の最大勢力であり葡萄酒工場経営者の仁礼嘉平(辰巳柳太郎)がやって来ます。
次のワンカットに注目。
便宜上、8枚に分割してます
↓
寄ったサイズになり、奥に由良敦子(草笛光子)が立っています。
敦子「嘉平さん!」
カメラのフォーカス(ピント)が敦子に合う。
同時に敦子の声で皆が振り向く。
この画、ちょっとでも辰巳柳太郎さん岡本信人さんの顔の位置がズレると草笛光子さんに被ってしまいます。とても微妙な動きですネ。
立花「ちょっと、アンタは?!」
中村巡査「被害者の母親です」
中村巡査、右へフレームアウト。
立花、中村巡査にボソボソ言いながら画面の奥へ移動。
入れ替わるように敦子が手前に来る。
カメラ、敦子の動きに合わせてフォーカスを合わせてゆく。
敦子、悲壮と怒りを滲ませた面持ちで嘉平に近寄る。
敦子「あれはアンタがおやりんさったことかな?!」
画面右の立花、振り返る。
フレーム内にきっちり収まった三人の縦の構図が見事ですね😉
嘉平、敦子を正視せず顔を横に向けたまま。
業を煮やした敦子、左へフレームアウト。
嘉平「・・・」
立花、敦子を目で追う。
↑
ここまでワンカット。
(約14秒)
次のカットへ
↓
敦子、回り込んで嘉平の正面へ。
(髪がほつれている)
敦子「いいえな嘉平さん、あれはアンタがおやりんさったことじゃないかとお聞きしとりますぞな」
といった一連の流れのなかで、
あらためて先のワンカットを見返すと、その中での俳優の動きとカメラワークの妙技が見てとれますね。
では続けて見てみましょう😃
いかがですか?☺️
俳優(特に草笛光子さん、加藤武さん)にとっては動きがありますので位置を正確に把握しておかなければならず、大変難しい演技が要求されております☺️
加藤武さんのアウト~インでピシッと画面に収まることによって縦の構図が決まりますよね😉✨
中村巡査を解説者にしたことで敦子の存在を観客に知らしめていること。そして構図を含めて交通整理的な役割を果たしているこのカットの意義は大きいです。
役者のさばき方(演出)、それに応える俳優陣、そしてスタッフの技術。
これが映像の演技だと言っていいと思います。
いかがですかベテランの仕事ぶり😃
市川崑監督のセンスが光るカット。
もちろんこれは序の口で、まだまだたくさんの魅せ場(アンサンブル)がこの映画には山ほどあります。
いっぱい語りたいけど明日も早いし眠いのでこのへんで失礼しますネ😉✨
機会があったらまた✋
いやあ~
映画って本当に素晴らしいもんですね🎵😃😃😃