むか~しスタッフとして携わった、ある映画の台本の一部です。
今回は撮影現場でちょっぴり感じたことを書きます😉
1993年公開の『極東黒社会』
撮影は1992年末から1993年の頭にかけておこなわれました。
YouTubeにフルバージョンがアップされてたのでこの場面(シーン49)を取り上げたいと思います。
なんでもない場面なんだけど印象に残ってるんですよね☺️
シーン49
バスルームから出てきてドレッサーに座るまでを人物の動きにつけてキャメラがパン(フォロー)します。
ほんと何気ないシーンです。
テストのときキャメラマンが女優さんに、「バスルームから出てきたんだからさー、髪をさわるとか何か動きがあるだろ?!」とややイライラした口調でおっしゃいました。
つまり、何もしないでただ歩いてんじゃないよと、そんなニュアンス。
それで本番でさりげなく髪をさわる動きが加わったわけです。
ベテランキャメラマンの一言で現場の空気が一瞬ピリッとしましたね。
いや、もっともなことをおっしゃってるんですよ😉 お芝居をより良くするための発言です。
この女優さんは元アイドルグループ出身でドラマにも多数出演していたしそれなりにキャリアもあります。
しかしそれとは関係なくダメ出しをくらう。ああ、プロの世界だなって☺️
(がんばって✊)
傍で見てると俳優というのはつくづく受け身だなと思わされます。それでいてアイデアを出し提案をしながら役を生きたものにしていかなければなりません。
更には複数の登場人物との絡みで動きが複雑になるとお芝居の要求度が必然的に高くなります。
この映画では銃撃戦やアクションもてんこ盛りだったけど、こういう何気ない芝居でも、俳優って大変だなーと思ったことを今でも憶えています。
ひるがえって昭和30年代の日本映画なんか観るとそういう技術が総動員されてるんですよね。しかも自然に。これこそが俳優の仕事なんだって思わされます。
洋の東西を問わず、自然体でさりげなく、生きた芝居を観たときは感動しますね😉✨
近年では『さざなみ』、それから去年公開された『ガーンジー島の読書会の秘密』が良かったですね😉✨
いま観たいのはそういう映画です。