2月8日、佐賀のシアターシエマにて。

以前から気になってた鹿児島県長島町が舞台の映画『夕陽のあと』を観てきました。


すでにマーサおばさんサンがブログで取り上げておられたのでとても参考になりました。

いやあ~予想以上に良かったです(゜▽゜*)

 

監督 越川道夫

脚本 嶋田うれ葉

製作 長島大陸映画実行委員会

 

佐藤茜―貫地谷しほり

日野五月―山田真歩

日野優一―永井大

日野豊和(トワ)―松原豊和

日野ミエ―木内みどり

 

とにかく俳優陣がみな素晴らしかった(°▽°)

 

ブリの養殖を夫と営む日野五月役の山田真歩さん。

すんません、こんな実力ある女優さんがいたなんて知らんかったです。長島町の人にしか見えませんです!!( ; ロ)゚ ゚



夫の優一。

やさしいお父さんって感じで永井大サンも良かったですよ~(*´∇`*)


 

 7歳になる里子の豊和(松原豊和)

この子!地元のオーディションで選ばれて演技は初体験だそうですが信じられません。何この自然体は!豊和(トワ)役はこの子以外考えられません。



ずっと注目してた貫地谷サン。

やはり上手いデス(*ノ▽ノ)


一年ちかく前に町の公募で東京からこの島にやってきた佐藤茜(貫地谷しほり)は港の食堂で働いています。今やすっかり町にも馴染んで豊和や五月とも仲が良いです(^^)d

 

五月は以前不妊治療をおこなっていたんだけど心身への負担やお金がかかることでやむなく断念。

町役場の福祉課につとめる幼馴染みの秀幸に頼んで児童相談所から赤ん坊(豊和)を預かり養育してきた。

そしていよいよ戸籍上の親になるべく特別養子縁組の申請をします。

さてここでスムーズに事が運ぶかと思いきや日野夫妻は思いもよらない事実を児童相談所から知らされます。

豊和は、7年前に東京のネットカフェで起こった乳児置き去り事件の被害者だったのです。

懲役一年執行猶予三年の判決を受けた母の名は佐藤茜。

夫のDVに耐えきれず困窮しさまよい続け、疲れはてた末に起こした悲劇だった。


 

さとうあかね?!あら同じ名前ね。

でも茜のはずないよ。ニコニコ。


なんて言ってたのがまさかの本人。

豊和の引き取り先を調べて長島町に来たのだった。


物語は急展開!


なんで?なんで黙ってたのよ。

ここから出ていって!今すぐ!


一目見たら離れられなくなった。

やっぱり私が母親。豊和を返してほしい。

そう懇願してくる茜。

取っ組み合いになり激しく対立する二人。

緊張が一気に高まります。


 

お母さんと茜、どうして仲がわるくなったの。


いずれ分かるときがくるから。

今は知らなくていい。


木内みどりサンってこんなイイ女優だったんだっけ。間の取り方も絶妙。何よりやさしいお婆ちゃん。この存在感。居るだけで安心します。



 おもちゃの携帯電話。

KEYになる小道具です。

クライマックスでも出てきます。


茜の行動は行き過ぎだと思うしワガママにも見える。けど、気持ちはわかる。産みの親だから。腹を痛めて産んだ子だから。


五月の気持ちも分かる。

試行錯誤しながらも豊和を育ててきた。

愛してる。もう離れることはできない。


 DV。貧困。不妊。制度。

毎日のようにニュースで流れる話題。

この映画には様々な社会問題が凝縮されています。


夕陽が沈むころ

二人は船の上で静かに対峙しやがて心を落ち着かせていきます。


五月が言う。

いずれ豊和はこの島を出ていくだろう。

そのとき必ず本当のことを伝えるから。

 


この島の人たちは海みたいなものだ。

子供はみんなで育てる。育っていく。

あなたもこの海のひとりよ。


心に鍵のかかってない長島町の人々。

かつての日本の風景がここにある。

豊和はここで過ごすのが一番イイ。

茜は島を去る決心をする。


ラスト。

豊和たちが叩く祭り太鼓の響きを聴きながら、バスで立ち去る茜の姿が頭から離れない。


豊和の幸せを願わずにいられない。

そして二人の母も。


そんな映画でした。





 

ロビーには撮影現場の写真が展示され、特産品のコーナーが設置してありました(°▽°)

 

 

 

 

 

帰りに二つ買いました(^-^)

うまそうー(*ノ▽ノ)



『夕陽のあと』

いわゆる観光映画になってないところが良かったです☆


帰宅してパンフレットを読んだら、この監督さんの師匠は澤井信一郎さん(「野菊の墓」「Wの悲劇」等の監督)だと書いてあり、ナルホドそれで丁寧に撮られていたのかと納得した次第であります(^-^)


長島町の漁業と映画作り。

先人の知恵を受け継ぐ姿が重なって見えた。