ネタバレせずに感想を書くってどうすればいいのだろう...と注意しながら、以下、まとまりに欠けるであろう文章を連ねます。映画館に見に行くのは気になったものを年に1〜3本、あとはテレビで見るくらい、な人間がメモ程度に書き留めた、という感じです。

まずは、詳しく書くとストーリーのキモに引っかかるので、備忘までに記述するのですが。俳優さんやメイクさんや映画の撮り方の妙に驚きました。

さて。私が映画を見ることに求めるもののひとつに鑑賞後の己の変化、があるのですが(つまり鑑賞前には戻れない大なり小なりの何か、が映画の特徴・特質のひとつではないか、と思っている)、その点、これは弱いな、と思いました。おもしろさ(interesting)としては10点中5、くらい...
もちろん個人の経験状況その他によるところの多い感想、なのですが。じゃぁ何が自分にそう感じさせたか、と思考を展開すれば、キャラクターがあるいは出来事が突き抜けているか(それは個性であり異常さであり)、と考えると、大してそうは感じなかったな、という(私の感覚が麻痺している可能性は棚に上げて)。
事前情報、130人、とありますが、映画の中でそこまで語ったか...?(あくまで事前情報は“モデル”なので) 治療法のない、という絶望は...? 映画ならば言葉でなく映像で語らねばならない面もあるでしょう、その描き方は...?
と自分が受けた衝撃の弱さから振り返ると、あぁ、そうかぁ...と納得してしまう。追ってはいけない、というほどの危険性さえ理解・実感できなかったなぁと。対岸の火事、に留まっていた、インパクトの薄さ。印象の軽さ。
父娘の絆に比べてカウンセリングの唐突さ(あれで落ちるのか...?)とか。キャラクターの比重とストーリーでの比重に物足りなさがあって、テレビドラマでもいいのではないか、映画としなければならない必然性は...?と思ってしまった。

そこでなぜにテレビドラマを引き合いに出した...?と自己分析すれば、テレビ番組で大事なのは日常が壊れないことなのでは、と。日々の生活の中で毎日容易に享受するにあたっては立ち止まらざるを得ない状況は極力避けるべきで、だからこそCMによる中断が活きるし、議論・深堀りにつなげる必要のない内容が娯楽としてたのしく感じるのだろうなぁ、と。

とはいえ、日常を切り取ったような映画、を頭から否定するわけではないですし、テレビでだって衝撃を受けるような映像に出会うこともありますが。今回鑑賞したのはテーマも重くサスペンス(事件性不可避)なので、自分の先入観・想定としては鑑賞後の後引きを期待してしまっていたのでしょう...

こういう部分がもっと場面として描かれていれば...というのはあるのですが、好みの問題もありますし、具体にするとネタバレに繋がるということで省略します。自分の年齢とか近況とか性格とかもあってつらつら書きましたが、おもしろくないというわけではないのです。

とりあえず個人的に、見所は腹パンチです、ということでシメにします。