藤枝市のピアノ教室、吉川ピアノ教室です。
昨日の記事のつづきです
昨日と前回の記事はこちらです↓
▪️音楽で生きていく、音大に進むと考えたら読む本はこちら
▪️続、音楽で生きていく、音大に進むと考えたら読む本はこちら
茂木さんの後半に書かれていた
「付録 、楽団員のための 古典音楽一般必須常識」が
あまりに面白かったのと、深い内容に感化され。。。
教室に来て下さっている現役指導者や
将来音楽家になる受験生向けに、
今日はすこーし難しい内容を書く事にしました。
吉川ピアノ教室には、現役ピアノやエレクトーンの先生、
学校の音楽の先生、保育士など、
指導者の立場の方も習いに来て下さっています。
また、ヴァイオリン、管楽器、声楽などの、ピアノ以外の受験生がピアノとソルフェージュを習いに来て下さいます。
<楽譜の版のこと>
本にも書かれていますが、バロック時代の楽譜には
スラーやスタッカート、フレーズや強弱のアーティキュレーションなどのが書かれていないので、また装飾音譜も即興で弾く事が多かった為、それでは分かりにくいからと、後で出版社が書き込んでいます。
なので、作曲者が書いた「原典版」を知っておく必要があり、できれば手元に持っておくべきだと考えられています。
しかも、原典版は何も書かれていない場合は、勉強しないと
(特にバッハやモーツァルトの原典版は)そのままでは
間違った解釈で演奏をしてしまう可能性が大、大、大
だから信頼のおける指導者にレッスンを受けるのですが、
古楽器やチェンバロ、バロック時代に精通した先生は案外少なく、私達もまた、昔習ったバッハやモーツァルトの奏法で本当にいいのか、装飾音符の弾き方は?などなど、見直す必要が必ず出てきます。
おそらく多くの先生が、バロック時代の指導には苦労されていると思います。
本当に指導する側も難しいです。悩みます。
↑ベートーヴェン交響曲第9番の打楽器奏者への解説
<ただ弾くのではなく、楽典・分析・ソルフェージュ>
またバッハは 茂木さんが書かれたように、
半終止、偽終止、完全終止のオンパレードですし、次々に転調しながら移行していくので、ざっと分析することで音楽の構造が分かります(ご存知の通り、バッハは特にテーマが大切)
音楽専門ではない方も、プロがいかに「ただ楽譜の音符を弾いているだけではない、弾いて更にその先、もっと掘り下げて内容を理解しようとしている」と分かって頂けるかもしれません。
のだめちゃんより ↓
動画はパリ音楽院でのレッスンで、日本でも音大芸大のレッスン風景もこんな感じだと思います。
受験でほとんど丸暗記だったかもしれない楽典の知識も、実際の曲の中で解釈の為に必要だったと分かりますよね。
でも
まずは音楽を楽しむこと
音楽を感じること
そして、音楽を表現すること
楽典やアナリーゼ(分析)は後からついてくるもの。
後から裏付けられて、ああそうだったのか、と。
子供さんが演奏する曲も、指導者が分かって教えているのと、ただ表面的な指導とは違ってくると思います。
ブルグミュラー25練習曲はロマン派の位置付けと標題音楽、更に練習曲である事、それを音楽性豊かに演奏、
ソナチネは「小さな、小規模のソナタ」という意味で、
ソナタと直結していますから、しっかり教えたいところです
でも、難しいことを難しく教えてはいけませんよね
言葉の使い方と、指導者の曲の理解力と
生徒への愛と、音楽への情熱によって
わかりやすく教えることは必ずできます
勿論私もまだまだで、完璧ではありませんが、
そう考えて指導したいと考えています。
色々と考えさせられた 茂木大輔さんの著書、
ありがとうございました。
茂木大輔さんブログはこちら(あれ?2016年で止まっています)
本はAmazon のこちらで購入できます。
ピアニスト高橋多佳子さんと茂木大輔さん指揮コンサート
多佳子さんは、以前、私の師匠の生徒さんでもありました。
こちらは、交響曲の分析〜、専門的で難しそうですが、
大好きな人には おそらくたまらないでしょう
長い文章、最後までお読み頂きありがとうございました。