◇老後孤立しないためには◇
高齢になってからのひとり暮らしが、どれほど困難に感じるかは人によって異なります。
しかし、年齢を重ねるにつれて、
自分ひとりでは解決できないことが増えていくのは確かです。
いかに周囲の助けを得られるかが、とても重要になってきます。
ところが、ひとり暮らし高齢者が増えている今、
支援の手が行き届きにくくなり、助けを得ること自体が難しくなってきています。
助けが必要になるのは要介護状態になった場合や、
認知症を発症した場合だけではありません。
食料品の買い物が困難になる、ゴミ出しが負担になる、
スマートフォンの操作がよくわからない、郵送される書類を読むのが難しいなど、
日常のささいな困りごとが積み重なっていくのです。
こうした日常生活の質の低下に対して、
周囲が「このままでは暮らしていけないのでは」と心配していても、
本人は困っていないことも多いのです。
そのため、介護サービスの利用や、高齢者施設への入所など、
必要な支援を本人が拒んでしまうこともあります。
■将来に備える準備の必要性
ひとり暮らしの高齢者の場合、周りに心配してくれる人がいなかったり、
たとえ心配されてもそれを受け入れなかったりすることがあります。
そうした状況では、行政や福祉などの交的なサポートも行き届きにくくなってしまいます。
かといって、自分で将来を見通して、心身機能が低下する前に、
任意後見契約や死後事務契約、遺言書、
エンディングノートなどの準備を整えている人は、まだまだ少数派です。
人は誰しも、いつかは必ず死を迎えます。
しかし、望んで孤独死を選ぶ人はいないはずです。
多くの人が、尊厳を持って人生の最期を迎えたいと願っているのではないでしょうか。
そのためにも、できるだけ将来を見越して準備を始めることが大切です。
必要な準備は人によって異なります。
任意後見契約が必要な場合もあれば、死後事務契約や遺言書が必要な場合もあります。
少なくとも、エンディングノートだけでもまとめておくとよいでしょう。
自分の考えをまとめるのによい手段です。
■「頼れる人」がいることの大切さ
何よりも大切なのは、人とのつながりです。
言い換えれば「ご近所付き合い」や「友人関係」が重要です。
とくに男性は、ご近所付き合いが苦手な方が多い傾向にあります。
単独高齢男性世帯のうち「頼れる人がいない」と回答した人は23.1%、
「人には頼らない」と答えた人は10.5%で、合計すると33.6%にもなります。
一方、単独高齢女性世帯では「頼れる人がいない」と回答したのは7.2%、
「人には頼らない」と答えた人は8.3%で、合計は15.5%にとどまります。
つまり、女性の方が頼れる人との関係を築けている傾向にあるのです。
老後が長期化する今「人に頼らない」姿勢は非常にリスクが高いと感じます。
誰にも頼らずに暮らすのは、現実的には困難ですし、
尊厳ある最期を迎えることも難しくなるかもしれません。
だからこそ、日頃から人との関わりを大切にしなければなりません。
