◇不機嫌のトリガー◇
どんな人でも、日常生活の中でムッとしたりイライラしたり、
不機嫌になることはあるものです。
そのきっかけは人によってさまざまですが、
すべての人に共通する不機嫌のトリガーは「望まない事態が起きること」
たとえば、「物事が思い通りに進まない」
「予測していなかったトラブルが起きた」などが挙げられます。
望まないことが起きてストレスを感じたとき、脳の視床下部が反応して、
副腎からコルチゾールという分泌物が出ます。
コルチゾールの別名は「ストレスホルモン」
分泌されると周りへの攻撃性が上がるだけでなく、
自律神経の一つである交感神経が活性化し、
外部からの刺激に心身が反応しやすくなります。
すると、感情のコントロールが難しくなり、
普段は気にならないような些細なことにもイライラしてしまうのです。
こうして生まれる不機嫌をコントロールするカギを握るのは、
もう一つの自律神経である副交感神経です。
副交感神経を効果的に活性化させれば、
心身がリラックスして感情のコントロールがしやすくなります。
■自分の機嫌は簡単にとれない・脳波からわかる不機嫌の傾向
●ネガティブな感情は消えない
生活する中で、人がポジティブな感情でいるときは
「満足度」「快適度」「集中度」「好き度」などの脳波が高まりますが、
それらの脳波は時と場合によってゼロになることもあります。
一方で、ネガティブな感情を持っているときに出る「ストレス度」「嫌度」
「不快度」などを示す脳波が完全に消えることはほとんどありません。
●人は嫌な出来事に敏感
ポジティブな刺激を受けたときの
「満足度」「快適度」の脳波はゆるやかに上がるのに対し、
ネガティブな刺激を受けたときの「ストレス度」「嫌度」の脳波はすばやく上昇します。
●「快適度」は下がりやすい
可愛らしい動物の映像を観て高まった「快適度」は、すぐに低下。
一方で、怖い映像を観た方は「ストレス度」「嫌度」を高いレベルで維持し続きます。
嫌な感情は、幸せな感情に比べて引きずりやすい傾向があります。
●集中できるのは40分まで
集中力が保てず、悩むことがあるかもしれません。
高い集中力を保てたのは最初の10分。
それ以降はだんだんと下がっていき、35~40分後には「集中度」の数値がゼロに。
●ストレス発散は難しい
好きなことをして気分転換するよりも、
しんどくなる原因を除くほうが、リフレッシュには効果的です。
●幸せなのにイライラ
大好きなものを食べたり、推しの映像を観たりすると、
「快適度」「好き度」の数値はかなり高くなり、幸福感で満たされますが
どれだけ幸せを感じたとしても、ストレスは手放せないのです。
■不機嫌をご機嫌に切り替える
副交感神経を優位にすることで心身をリラックスさせて、
機嫌のいい自分を取り戻しましょう。
●体を動かしてリフレッシュ
イライラして緊張した心身をゆるめるために、あえて交感神経をさらに高めるのも手。
たとえば、軽い運動をするのがおすすめです。
運動によって一時的に高まった交感神経は徐々に下がっていき、
その後、副交感神経が優位になります。
ストレスを感じたときは体を動かして、クールダウンしてください。
●体の調子を整える
コルチゾールは病気にかかっているときや空腹時、睡眠が足りていないときなど、
体調が悪い場合にも分泌されます。
理由もないのに落ち込むときは、体に不調がないかを調べてみましょう。
生活習慣を整え、健康な体づくりを意識することも、機嫌のよさにつながります。
●散歩を五感で楽しむ
5分ほどの散歩に出かけましょう。
汗ばむ程度のウォーキングでも、充分な運動効果が得られます。
散歩をしている間は、五感を研ぎ澄ませて「外の空気」を感じてください。
目に映る風景や風の匂い、季節の移り変わりを楽しみながら歩くことで、
ピリピリしていた心が穏やかになり、気持ちがほぐれます。
●バスタイムは湯船に浸かる
入浴は寝る1時間前がおすすめです。
入浴後は1時間ほどかけて、体温がゆっくりと下がっていきます。
このときに副交感神経がONになるため、体の緊張がとれて深く眠れます。
なお、シャワーを浴びるだけだと体の表面しか温まらず、
副交感神経が優位になりません。
できるだけ湯船に浸かり、気分よく朝を迎えましょう。
●「涙活」で心をスッキリ
泣くことで呼吸が深くなり、心拍が安定します。
泣くとセロトニンやオキシトシンなどの「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質が出ます。
ちなみに、スポーツ観戦やコンサートなどで高揚したり感動したりしたときに出る涙は、
運動と同じく交感神経を一時的に高め、
下がるときに副交感神経のスイッチをオンにする作用があります。
余韻に浸っている間のさわやかな気分は、副交感神経が優位になった証です。
●睡眠で記憶を整理
睡眠には、辛い記憶を整理し、前向きに捉え直せるようになる作用があります。
ただしそれには、ぐっすり眠ることが不可欠です。
記憶を整理するために必要な睡眠時間には、個人差があります。
朝起きたときに嫌なことを引きずっているなら、
睡眠時間が足りていないのかもしれません。
その日の晩は、睡眠時間を長くとるようにしてください。
