◇眼の老化「アイフレイル」◇
QOL(生活の質)を大きく左右する「見る力」
足元やまわりが見えにくくなると外出が億劫になり、
体力や認知機能の低下にも影響を及ぼします。
「目の寿命」を延ばし、全身の健康維持を心がけましょう。
日常生活で活字を読むと目が疲れる、光を眩しく感じる、手元や足元が見えにくい、
といった不調を感じることはありませんか?
もしかしたら、「アイフレイル」が始まっているかもしれません。
身体機能や認知機能が低下した状態を指す『フレイル』に対し、
視機能が衰えた状態、またはそのリスクが高い状態を『アイフレイル』と言います。
主な原因は、加齢に伴う眼球の水晶体や角膜・網膜の変化、ピント調節機能の衰え。
そのほか、糖尿病をはじめとする血管疾患、眼病疾患の遺伝的要因、
そして紫外線ダメージなどの外部刺激もリスクになります。
視機能が衰えると『よく見えないので外出が怖い』
『好きなテレビ番組が見られなくなった』など、生活の質が低下してしまう。
それが続いた場合、体力がなくなったり、気分の落ち込みにもつながりかねません。
つまり、見えにくい状態を放置すると社会との接点を失い、
健康寿命まで脅かすことになるのです。
『以前より見えにくい』などの変化を感じたら要注意。
人生100年時代と言われますが、目の寿命は60~70歳程度。
緑内障や加齢黄斑変性は40代、
網膜剥離は50代から密かに進行しているケースもあります。
しかし眼病は進行が遅いため、気づきにくいのが問題なのです。
50歳を過ぎたら、年に1回は眼科検診を受けましょう。
早めに手を打てば進行を緩やかにし、目の寿命を延ばすことができます。
その際、病院選びも慎重に行ってください。
目はむき出しの臓器で非常にデリケート。
治療の経験が豊富で症例数が多く、実際に受診した人の評価を聞いて
信頼できる眼科を選ぶことが大切です。
日頃から目の痒みなど軽い症状で受診して、
医師の説明や診察内容を見極めておくのもよいでしょう
■日常生活に潜む目を傷つける習慣
眼病は失明の原因になるにもかかわらず、無頓着な人が多いです。
気づかぬうちに行っている悪しき習慣はいくつもあります。
まずスマートフォンの長時間使用。
とくに、動画を見続けるとまばたきの回数が減り、
目が乾燥して角膜が傷つきやすくなります。
それから紫外線対策を行わない人が多いようです。
目を守るために外出の際はサングラスを。
目はブルーライトや紫外線などによるダメージに弱いので光は極力カットしましょう。
目を洗うのもご法度です。痒みや異物感があるときは、
水や洗眼液で洗い流すのではなく目薬を使用すること。
できれば病院で使い切りタイプの目薬を処方してもらってください。
多めに常備しておくとよいでしょう。
それから、『視力がよくなる』と謳われている
眼球をぐるぐる動かすトレーニングも控えること。
高齢者はとくに、網膜剥離になるリスクがあるのです。
日頃から目を労っている人は、確実に目の寿命を延ばせるでしょう。
ケアの基本は、積極的に目を休めること。とてもシンプルです。
簡単なのはホットタオルを目にのせて温めるケア。
血行が促進されて網膜にも血液が行き渡り、見えにくさが軽減されます。
テレビを観るときや読書などをする際は、1時間に1~2分は目を閉じるようにしましょう。
また、窓から遠くの景色を眺めると目の緊張がほぐれます。
窓がない場合は、5m先の時計やカレンダーなどを見つめるのでもかまいません。
もう一つ重要なのが食事です。
緑黄色野菜の色素は体内で吸収され、黄斑部を保護します。
また、ドライアイ対策には角膜を守る良質な脂質も必要。
オレイン酸を含むオリーブオイルや、
血管を拡張させ、血圧を下げる作用のあるα−リノレン酸の亜麻仁油、
えごま油も積極的に摂りましょう。

