(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

73.禁止を表わすmay not

 

許可を求める場合、疑問文でmayを使用することが多くあります。

 

(1)May I go home?

(2)Yes, you can.

 

それに対して、mayで答えると高圧的(いわゆる上から目線)に響くことがあるので、canを使うことが望ましいとされています。

 

また、may notという表現は、場合によっては2通りに解釈されます。

 

(3)You [may not] go.(行ってはいけません)

(4)You may [not go].(行かないでもよろしい)(安井、1996:185)

 

通常は、(3)と(4)は、それぞれ次のように表現をします。

 

(3)' You must not go.

(4)' You don't have to go.(ファーマルな表現ではYou need not go.)

 

余談ですが、52年前の「High School English」という、かつて大学受験生向けに出版されていた雑誌に、次のような例が出ていました。これは、禁煙車両で喫煙していた客に対する車掌の表現です。

 

(5)You may not smoke.(~してはいけません)

(6)You must not smoke.

(7)You shall not smoke.

 

最初、(5)のように紳士的に丁寧な形でやんわりと注意しても聞き入れられなかったので、次に柔らか味の無い(6)を使用して注意したものの、まだ喫煙をやめようとしなかったので、最終的には、法律文の「煙草をすうべからず」というほどの強いニュアンスを持つ(7)を言って、ようやくその喫煙者は煙草を消した、というエピソードが紹介されていました。mayとmustとshallの持つ機能の一端を見た例です。

 

 

(参考)

小野嘉津男(1964)「助動詞交差点 may not~must not~shall not~の表わすニュアンス」『High School English』1964年9月号p48~49.

安井稔(1996) 『改訂版 英文法総覧』 (開拓社)