88.1.パンの種類(続き)


日本語の「パン」というカタカナ語は何語から来たのか、ぐらいは思いを致してもよいであろう。そもそも日本史において、日本に西洋人が初めて来たのは何年のことであるか、それは鉄砲伝来の都市とほぼ同じ1543年頃であっただろう。またそれはどこの国の人であろうか、それはポルトガル人であった。

ポルトガル語でパンは pao である(aの上に線)。それが当時の日本人の耳に「パン」と聞こえたのかもしれない。これらのポルトガル人が日本に上陸後、滞在中ずっと米飯を食べていたとは考えにくいからである。自分たちで小麦の類を調達し、パンもドキのものを作っていたと思われる。そして彼らと接触のあった一部の日本人は、時にはパンをもらって食べてみたであろう。

日本でパンが本格的に作られたのは、明治3年(1870年)当時は東京の芝にあり、後に銀座に移った木村屋によってであった、何かで読んだことがある。

ではそのパンの種類を、私の思いつく範囲で挙げてみる。

まず日本語で挙げてみる。多くはカタカナ語である。もともと西洋のものであったのを日本語に借用したのであるから、そういうことになる。

・食パン
・ロール・パン
・(戦後数年間あった)コッペパン
・フランスパン
・レーズン・パン

英語では、もっと種類が多い。

・bread(パンの総称であるとともに「食パン」のこと)
・roll
・bun
・baguet(あるいはbaquette)、French breadとも言う
・croissant(クロワッサン)
・Danish
・loaf
・bagel(beigel)

などである。
(続く)