68.湯河原「温泉」を英語で表すと
戦時中の中学校(5年制)に入学した私たちは、初めは週4~5時間英語を習ったものであるが、教科書は今のようなオーラル・コミュニケーションを重視したものではなく、物語などを読み訳していく英語の授業であるが、英文法などは大して習った覚えがない。しかしディクテーションと朗読はたくさんやらされた。物語というのは英語圏のそれであったから、「温泉」などというものは登場しなかった。
しかし物語の中に「泉」は出て来た。springである。中1年次の初めのころ、四季や1月から12月までの月明は早い頃に習った。
それで、springという語には「春」「泉」、そして「バネ」という一見何の関係もない別々のものを指しているなんて妙だなあ、としばらく考えているうちに「春」「泉」「バネ」そして<花の開花>、これらのものごとの間に共通点があることに思い至ったのである。
いずれも、<内にあるもの、潜んでいるものが勢いを得て外側に飛び出す>ことを表している。つまり、共通項に気付いたのであった。これが、私が外国語の単語を学ぶ楽しさに目覚めた最初であったのである。
springが「泉」を指す時、それは単に水が湧き出ていることもあるが、温泉はspringが暖かい、つまりwarmなりhotの温度を持つもので、warm spring、もっと熱ければhot springと表すことになる。spring(泉)にしろ、hot springにしろ、地中から、そこにもあそこにも、と湧き出ているので、一つ一つ数えられる(countable)ものである。
東京から近いところの温泉というと、小田原より少し西の海岸から近いところに湯河原にあり、それより先には熱海、それより更に西には伊東と、いくつもある。小田原から西北方向、つまり内陸部に向かうと湯本、それから登ったところに強羅と、いくつも温泉街が点在している。
一つの温泉街には、いくつかの湯の湧き出しているところがあるので、例えば Yugawara Hot Springsと表すことができるが、hot springの集合体を一語で表す語がある。それが、spaという語である。したがって、
Yugawara Spa / Atami Spa / Ito Spa
のように表している。
戦時中の中学校(5年制)に入学した私たちは、初めは週4~5時間英語を習ったものであるが、教科書は今のようなオーラル・コミュニケーションを重視したものではなく、物語などを読み訳していく英語の授業であるが、英文法などは大して習った覚えがない。しかしディクテーションと朗読はたくさんやらされた。物語というのは英語圏のそれであったから、「温泉」などというものは登場しなかった。
しかし物語の中に「泉」は出て来た。springである。中1年次の初めのころ、四季や1月から12月までの月明は早い頃に習った。
それで、springという語には「春」「泉」、そして「バネ」という一見何の関係もない別々のものを指しているなんて妙だなあ、としばらく考えているうちに「春」「泉」「バネ」そして<花の開花>、これらのものごとの間に共通点があることに思い至ったのである。
いずれも、<内にあるもの、潜んでいるものが勢いを得て外側に飛び出す>ことを表している。つまり、共通項に気付いたのであった。これが、私が外国語の単語を学ぶ楽しさに目覚めた最初であったのである。
springが「泉」を指す時、それは単に水が湧き出ていることもあるが、温泉はspringが暖かい、つまりwarmなりhotの温度を持つもので、warm spring、もっと熱ければhot springと表すことになる。spring(泉)にしろ、hot springにしろ、地中から、そこにもあそこにも、と湧き出ているので、一つ一つ数えられる(countable)ものである。
東京から近いところの温泉というと、小田原より少し西の海岸から近いところに湯河原にあり、それより先には熱海、それより更に西には伊東と、いくつもある。小田原から西北方向、つまり内陸部に向かうと湯本、それから登ったところに強羅と、いくつも温泉街が点在している。
一つの温泉街には、いくつかの湯の湧き出しているところがあるので、例えば Yugawara Hot Springsと表すことができるが、hot springの集合体を一語で表す語がある。それが、spaという語である。したがって、
Yugawara Spa / Atami Spa / Ito Spa
のように表している。