63.1. come up 対 go away

自分を中心に状況を記述するなら、例えば

a. Tomがこちらにやってくる。
b. Tomがこちらから去って行く。

と2方向あり、それぞれ次のように成る。

a'. Tom is coming up (to me / us).
b'. Tom is going away (from me / us).

本当は、awayの対語はhereかup hereであるが、次の項目、その先の項目との関連で、対照を少しゆるいものにしてある。


63.2. I'm coming(今そちらに行きますよ)

come 対 goと、それとの関連項目である bring 対 take、この行為の方向と相手との方向などについて使い方をきちんと覚えておくべきである。

その具体例の一つが、ここの見出し英文である。普通はcomeは「くる」という意味であるのに、ここでのcomeは<相手の方に行く>という意味である、ということで、基本レベル英語の学習者にとっては理解することが、必ずしも容易でないかもしれない。

この“I'm coming.”が使われる状況として、次のような場合がある。

A:(Tomのことを知っている誰かが)
「トム、トム、ちょっとこっちに来てちょうだい」
B:「はい、今行きますよ

Bの立場からは、“I'm going.”のはずであるが、Aの立場からは、“A, I would like / want you to come (to me).” ということであり、その相手の立場に立ってあげて、つまり相手の心理的立場にたっての表現を使ってあげるのである。

[注]なおこの場合、“I will go (to you).” あるいはもう少し英語寄りの“I will come (to you).”でも通じるだろう。
“I'm coming (to you).”と現在進行形で表しているのは、<もうその行動を始めています>と伝えたいからである、というのが私の説明である。