33.(11)子ども部屋とchildren's room
我が国の何省が企画、実施したか、私の記憶は定かではないのだが、ある時、数ヶ国の家の大きさ(広さ)や間取りの国際調査をし、その結果が発表されたことがあった。このアンケートの原文は、まず日本語で作られ、外国用には、それを英語に直したのを使ったらしい。
その調査の項目の中に「子ども部屋」がきちんとあるかどうかというのがあって、その「子ども部屋」をChildren's roomと表したのであったらしい。
アンケートの結果を整理分析したのが、当時の新聞、テレビで発表されたのを見て、意外な報告に驚いた人々がいたのである。外国の家には、子ども部屋がないところが多く、日本にはある家がはるかに多いことになったからであり、これは予想とは反対の結果であったからである。それは、「子ども部屋」のことを Chidren's roomと訳したからであるというのが、私の仮説である。
私の英米の家を訪問した経験では、子ども部屋がたいていあったからである。各部屋を案内された時は、“This is Charles's (bed) room.”“This is Dorothy's (bed) room.” のように言っていたことが多い。人名の変わりに、“This is our son's room.” / “This is our doughter's room.” などと表すことはあるが、“our children's room”と表していることはあまりなかったように思う。
話しを国際調査の内容に戻すことにする。英米などでは、子どもの個室(bed room)の他に、地階(basement)に“children's room”と称することがある広いスペースがあり、正式には “recreation room”という名匠の大部屋があり、雨の日や夕方に、そこにその家の子どもや、彼らの友達が集まって、ゲームや踊りや、ピクニックをしたりするところがあり、私の米国の友人2、3人の家にもあったのを実際に案内してもらったものである。
しかしそのようなrecreation roomなりchlidren's roomを設けられる家は、家が比較的裕福な家であり、ない家のほうが多いので、先に紹介したような結果になったのであろう。
つまり“children's room”で日英でイメージしたものが異なっていたためである。
[注] roomを複数形にして children's rooms としていたら、結果はまた違っていたかもしれない。