14.1.Where are you from? / Where do you come from?

 このつの表現の意味用法は(ほとんど)同じである、と言ってよい。いずれも次の二つの意味のどちらかを訊ねているのである。

 (1)出身国 

 (2)出身地(州名など / 都市(町)名)


 英国人の例と米国人の例を挙げておく。

 <英国人の例> ”I’m from England.” ”I’m from Essex.”      

 <米国人の例>”I’m from the States.” ”I’m from Boston.”

 be from ~ の代わりに come from ~ と表わしてもよい。

 [付]人によっては I’m from England. の代わりに I’m English. / I’m from the States. の代わりに、 
I’m American. / an American. と言う人もいる。


 また、 ”I’m from the States.” とだけだった人に、更に「米国のどこからいらっしゃったのですか?」と訊きたい時は、次のように言えばよい。

 What part of the States are you from?

 あるいは、

 Where in the States are you from?

 
 

 14.2.Where were you from? / Where did you come from?

 上の13.1.の「あなたの出身国(あるいは出身地)はどこですか?」というのは、別の日本語で言うと、「あなたはどこの国(どこの都市)からいらっしゃっのですか?」と過去形で表わすこともある。そのためか、上掲のような過去形で表わしてしまう日本人が少なくない。

 しかし人の出身国や出身の町は過去のことで、その後変わって現在は違うところになっているなどということはあり得ないので、過去形で表わすことはしない。

 もし過去形で言うと、例えば米国人が日本に来る前に台湾に寄ったとすると、 ”Where were you from?” / ”Where did you come from?” に対し、”From Taiwan.” と答えることもあり得るのである。

 


 14.3.hometown という語


 私の戦後の英語体験史において、私はかなり数多くの機会にこの語を見聞きしたことか。ところで今回この候を取り上げるために、いくつもの英英辞典に当たってみたところ、この語を登載していない辞書がいくつもあるのは意外であった。イギリス英語よりアメリカ英語のほうでより多く使われていることは知っていたが、そのアメリカ英語の英語辞典でも登載していないものがいくつかあったのである。

 hometownの意味は、<自分の生家がある町>という意味の他に<いま住んでいる町>の意味でも使われている。

 ある米国人言語学教授の家があるところは、テキサス州のサン・アントニオ市であるが、私との共同研究のために世田谷区成城に一年間住んでもらったことがある。その彼とある会合に一緒に出た時のこと、誰かが

 “Where's your hometown?”

と訊いたのに対し、

 “In Seijo in Tokyo.”

と答えていたのである。