8.1 句動詞 belong to の用法


 動詞 belong  は belong to~ の形で使われることがもっとも多いが、他にも belong in ~ / belong with ~ のような結びつきもあり、また belong here のように場所の副詞の場合は前置詞は不要である。


 ある時、米国人の友人を新宿の歌舞伎町のあたりを案内していたら、ニヤニヤしながら、 I don't think you belong here. と私に行ったものである。この英文の気持ちを意訳すると、「君はこんなところに来る人ではないでしょ。」ということになる。 belong here であって belong to here などとは言わない。


 日本語では belong to ~ を「~に属している(所属している)」と訳している。そして to ~ のところには人の所属先の名前などがくると思っている。その典型例は belong to ~ の直後に学校、勤め先名などがくると思っている。 belong to ~ Company. とか belong to ~ University. という日本人英語の例をよく見たり聞いている。


 一方英語ではこういう例はめったにに見ない。このことをある米国人の友人に聞いてみたことがある。すると「belong to ~ とは長年永続的に続く関係のことであって、学校だの会社などは数年いるだけのところだからbelong to ~ などしない。」と言うのである。


 では belong to ~ の典型的場合を教えて欲しいと言うと、belong to ~ Church / What church do you belong to? などであると言う。なるほどキリスト教徒はいつも決まった教会に行っている。生涯続くのである。


 また belong to ~ は人間関係の密接度を表すのに使うこともある。私が高校の頃、米国で流行したポピュラーソングに You belong to me. というのがあったし、また映画の中で若い男女が恋仲に発展していった時、 Jane が Tom に寄り添うようにして”Tom, I belong to you.” と囁いたのであった。これに対する字幕が「トム、私はもうあなたのものよ。」となっていた。巧い約で感心したものである。恋人同士、夫婦同士は互いに belong to ~ しているのであって、学校や職場などに belong to ~ などしないのである。


 最後にもう一例。私は米国の大学に教えに行った時は、そこの大学図書館をよく活用するのであるが、日本の「早稲田大学図書館蔵書印」に当たるものとしては、ゴム印で ”This book belongs to the University of Chicago Library.” のような蔵書印が押されているのである。


(小山田注:「野球部に所属しています」は、


I am a member of the baseball club.


もしくは I am in the baseball club.













8.2 名詞 belongings


 私の個人的体験ではこの語を必ず聞くのは、国際線での飛行機が執着航空に着いた時、機内アナウンスの英語の中で、 ”Please don't leave your belongings behind. We thank you very much for flying with us.” と言っているからである。日本語の「手荷物」にあたるもので、動詞 belong を名詞化し複数形にしてあるのは、手荷物というのはいくつかの小物からなっていることが多いからである。


 belongings のもう一例をあげておく。


  I packed a few belongings of mine and left the hotel.