電子ピアノは別として、グランドピアノやアップライトピアノは、タッチによって音色が変わると言われています。
私も、音色は変わると思っています。
プロのピアニストの方の演奏を聴くと、同じピアノでも色々な音色が聞こえてきますよね。
とはいえ、ピアノは他の楽器と違って、音を出す瞬間にピアニストができることは限られています。
ギターや琴なら、弦をどのように弾くかコントロールする余地があるでしょう。
フルートやリコーダーなら、息の加減によって音を変えることができるでしょう。
ところがピアノ。この楽器は、鍵盤を押したらハンマーが動いて、ハンマーが弦に当たって音がでます。
しかも、弦に当たるその瞬間、ハンマーは鍵盤とはつながってはいなくて、鍵盤を離れて反動で弦にぶつかるらしいのですね。
そのため、弦にぶつかる瞬間、音が出るその瞬間は鍵盤を通してハンマーに何らかの力を伝えることは、ピアニストにはできないはずなのです。
では、どうしてタッチでピアノの音色は変わるのでしょうか。
ピアニストのジェスチャーの違いが、そう感じさせるのでしょうか。
それも影響がなくはないと思いますが、目をつぶっていても、違うように感じるものは感じます。
これまでに、音色の違いを物理的に測定した研究というのがいくつか存在いて、それが紹介されている本があります。
↓
この『ピアニストの脳を科学する』という本。
購入したのは9年ほど前です。
当時は「プロのピアニストはそうでない人に比べて、同じ難しいフレーズを弾くにも使う脳の労力が少ない」といったところに興味をひかれました。
ピアノの音色の違いについては、あまり意識してなかったんですね。
改めて見返してみると、面白いことが書いてありました。
タッチによって音色が変わる理由として、
・ハンマーの棒の部分のしなり方が変わる
・鍵盤を押したときのノイズに違いがある
というのが挙げられていました。
ハンマーの棒の部分(シャンク)がしなる。そうは言っても、弓のようにしなるわけではないでしょうから、そんな少しのしなりで音が変わるものなのだろうか・・・
疑問に思いました。
この本の参考文献として、いくつかの論文が挙げられていました。
そのうちの一つがこちらなのですが、英語ですし、入手するためにはお金がかかるようです。
↓
https://asa.scitation.org/doi/10.1121/1.402043
いつか、読んでみたいなと思っています。