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Clarks 靴のブログ

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(プレジデントオンライン)

プレジデントFamily 2013年8月号 掲載

■卒業証書が添えられている、大卒マグロの刺し盛りを味わう

大卒のマグロをご存じだろうか。いま関西では、近畿大学を「卒業」した、その名も近大マグロがうますぎると大評判なのだ。その味を確かめるため、マグロ好きの取材班は新幹線に飛び乗り、大阪へと向かった。

この春、大阪駅前にオープンした大型複合施設「グランフロント大阪」。その一角に、近大が経営するレストラン「近畿大学水産研究所」がある。なにやら難しそうな店名だが、研究施設ではなく、れっきとした飲食店だ。取材で訪れたのはゴールデンウイークまっただ中の5月初旬。店内は大勢のお客さんでにぎわい、通路には順番待ちの長い列ができていた。多くの人たちのお目当ては、もちろん近大マグロである。取材班も、さっそくいただいてみることにした。

大皿に美しく盛られた「本マグロ三昧お造り盛り」(2,800円、写真)には、そのマグロが近大卒だということを証明する「卒業証書」が誇らしげに添えられている。箸をつける前に、まずはそれを読んでみよう。

「あなたは近畿大学の水産養殖課程を優秀な成績で卒業され、お客様にご満足いただけるよう立派に成長したことをここに証します」

そう。近大マグロとは、近大の養殖施設で生まれ育った養殖マグロのことなのだ。卒業証書には、水揚げされた日がきちんと記されている。

「やっぱり魚は天然でなきゃ」という考えが頭に浮かぶが、まずは食べてみてからだ。赤身、中トロ、そして大トロの順番で、ゆっくりと味わう。

「めっちゃうまいわ!」

思わず飛び出た感想は、関西弁になっていた。

■ヒラメ、ブリ、そしてクロマグロ。近大は養殖のパイオニアだった

それにしても、なぜ近大がレストランを経営しているのか。そもそも、どうしてマグロを養殖しているのか。話はずっと昔、戦後間もない1948年にさかのぼる。

当時、日本の漁獲高は落ち込み、国民は食糧難に苦しんでいた。そこで近大初代総長の世耕弘一は、海を大きな生け簀(す)ととらえ、魚を収穫できる「海の畑」をつくろうと考えた。これが近大による魚の養殖の始まりである。

当初は失敗の連続だったが、研究を重ねた末、1965年に世界で初めてヒラメの養殖に成功する。以後、ブリ、カンパチ、シマアジなどでも成功を収め、近大は養殖のパイオニアとしての地位を確立していったのだ。

「高級魚の代表格、本マグロことクロマグロの養殖を成功させるまでには32年もかかりました」

そう語るのは、養殖マグロのエキスパートである岡田貴彦さん。大阪から特急で3時間。本州最南端の町、和歌山県の串本町にある近畿大学水産研究所?大島実験場で、30年以上もマグロと向かい合ってきた。

「ああ見えて、マグロは繊細な魚なんです。雷や車のヘッドライトが海面を照らしただけでパニックを起こし、生け簀の網にぶつかって死んでしまうこともよくあるんです」

さまざまな苦労を乗り越え養殖を軌道にのせた岡田さんたちは、この施設で約5千匹の近大マグロを育てている。マグロが泳ぐのは、直径30メートル、水深10メートルの円筒形の生け簀。取材で訪れた日、お店に出荷するため2メートル近いマグロが水揚げされた。電気モリを打ち込み、クレーンで船に揚げられた巨大なマグロは迫力満点だ。

「人間の手できちんと管理して育てられた養殖マグロは、安全で安心な食べ物です。冷凍する必要はないので、鮮度が良く味も落ちないですよ」


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