3楽章では、

もし、ナタリーが生きていたら。

という想いを馳せた幻想曲になっています。



副題で『ナタリーの為の』という名前がつけられているのです。

交響曲第3番 第3楽章動画

冒頭、ヴィブラフォン、ハープ、チェレスタなどでオルゴールの響きが始まると、
まどろみ、ぼんやりと夢の世界へと導かれている感覚になります。

さらにオーボエ、イングリッシュホルンのメロディーで完全に夢の世界に入ります。


やがて、テーマである甘いホルンのメロディーが始まります。
まるで、バーンズさんがナタリーとの想い出を回想するかのようです。


ナタリーが産まれた瞬間のことから、
はじめてナタリーがしゃべったことなど、思い出して、書いたはずです。


そして、大きくなったナタリーがどんな女性になっているか想像して書いたはずです。


どんどんテーマが周りの楽器をまきこみ、大きく広がっていくことで、バーンズさんがどれだけナタリーを愛していたかが伝わってきます。


やがて、オーボエ、イングリッシュホルンの二重奏になりますが、もの悲しげでもう二人は二度と会えない。と言っているかのように、まったく交わることなくメロディーが進行します。

やがてまたテーマのメロディーに戻ります。バーンズさんがナタリーの死を受け入れる決意ができたかのように聞こえます。

クライマックスをむかえ、トランペットのこだまでおちついていき、静かに悲しげなメロディーでナタリーとの別れを粛々と受けとめる様子がわかります。

最終的にナタリーを弔うレクイエムの楽章としておわります。


実に分かりやすく、バーンズさんの沸き上がる感情を表現された素晴らしい楽章だとおもいます。

聞いていると自然に眼から汁が、、(´;ω;`)


本当に父娘愛の美しさに魅せられます。