ママ、転ぶよ | 阿蘇の国のクララ

 

8月6日(金)...

 

「...にわか雨?

いつの間にか晴れてる」

 

「クーちゃん、

今日はあの山を越えて

青葉の瀬に行くそうよ」

 

南外輪山

 

「途中の清水峠で

パパがオオクワガタを

探したいんだって」

 

「クー」

 

自然界では、

オオクワガタのほとんどが、

カワラタケ菌のまわった立ち木

もしくは倒木に産卵し、

そのまま成虫になります。

 

クヌギやナラの木、

特に太くて穴の多い老木を探します。

 

樹齢の浅い細い木、

ウロのない木にはほとんどいません。

 

また、イオウ分を含んだ岩塩が

幼虫の大きさに影響していて、

甲斐駒ヶ岳、阿蘇山系など、

火山地域で大型が捕れると

いわれています。

 

「ずいぶん上がってきたね」

 

清水峠(標高916m)

 

 

「木が細い...」

 

「カブトムシしかいない」

 

「また今度にして、川へ行こうね」

 

カフェシリアル屋

 

「パン買った♪」

 

 

「クー!」

 

青葉の瀬

 

「オオクワガタには会えなかったけど、

カブトムシとアサギマダラと

カラスアゲハに会えたね♪」

 

川の中、

ママがこちらを向いたままの、

後ろ歩きで言いました。

 

「ママ、転ぶよ。前を向いて」

 

心配して言いました。

 

ママはちゃんと前に向き直って

手を上下させ、

チョウの真似を始めました。

 

私はこれからも

自分の人生にたくさんの影響を

与えてくれるであろうこの人の

後ろを歩きました。

 

「ママ、転ぶよ...。

転んだら、助けてあげるけど」