たった5分離れてただけで | 阿蘇の国のクララ

 

5月27日(木)...

 

「クッ、クッ、クッ、...」

 

イノシシ林

 

「クッ、バナナ出ました」

 

「おうめパパ、何かちょうだい♪」

 

「メリーちゃん、それ私の...」

 

「早い者勝ちよ♪」

 

 

「クー!」

 

道草をしていたクララが

きょろきょろとぼくを探しています。

 

次の瞬間、

まっしぐらにこちらへ

向かってきました。

 

「クー♪」

 

二人はもう、

何年か振りの再会みたいに

ひし、と抱きしめ合いました。

 

クララは喜びにうち震え、

ぼくも「愛してる」とそれに応えます。

 

はぁ。

 

今どき、

親子だって、カップルだって

こんな情熱的じゃないよね。

 

たった5分離れてただけで。

 

そうなんだよなあ、

イヌと暮らすってこういうこと、

こうゆう関係をつくっていく

ことなんだよね。

 

「ねえクララ、愛してる。

わかる?あ、い、してる」

 

蔵人珈蔵

 

「クララとパパの間に

私は入れないな...」

 

「ママのこともちゃんと好きだよ」