生でドラマを演じて配信する、生配信ドラマということで、「あの夜」のようなものになるかと期待して11/29の開催分を視聴した。生では見られずに配信だけ。12/20まで配信、ということなのでこのブログは12/21に公開されるようにしておく。

 というのもあまり良いことは書けないからだ。


 元芸人でコンビ「フジヤマ」と同期だったラジオディレクターの宮越が企画した三四郎の「バチボコ怖い心霊バスツアー」に参加するべく、宮越本人、三四郎や、元芸人でコンビ「フジヤマ」を組んでいたマネージャーの山本がバスに乗り込んだ。

 乗客を楽しませるために様々な演出を考えるドライバー(東京ダイナマイト松田)の運転するバスには三四郎ファンの若い女の子たち、ラジオのハガキ職人、怪しい中年男女、「心霊ツアー」と聞いて参加したオカルトマニア、霊能力者達が客として乗り込んだ。

 バスツアーの最後には深夜1時スタートのオールナイトニッポン生放送が待っている。各心霊スポットではいったい何が起きるのか。果たして彼らは生放送に間に合うのだろうかーー


 寝ちゃった。

 見ているこちら側の感度が低いのだろうけど、端的に言ってつまらなかった。

 脚本がスッカスカで、小さなコントを積み上げていけばドラマになるでしょう的な、「生配信だから」と細かいところは最初から諦めてるみたいな、何ていうか作品に対する熱量が足りないと思ったな。

 足りない時間はカラオケでごまかしとけばいいでしょ、っていう。ずっとノッてなきゃいけない演者もキツかったんじゃないかなぁ。「生配信ドラマ」だから、時間調整、渋滞があったり、っていう事情は分かっている。

 だが、脚本が杜撰だと思う。

 人物について、特にフジヤマについて細かいところがちゃんと描かれていないから感情移入も共感もできなくて、見ている側はただの傍観者になる。フジヤマがどんなコンビで、どれだけラジオにアツイ思いを持っていて、相方の工藤はどんな理不尽な死に方をしたのか。説明セリフはあったが、彼らの心情の描きかたが足りなく感じた。工藤は交通事故死みたいなこと言ってなかった?病床のシーンではそんなことまったく感じなかった。事故で死にそうな相方に、フルーツの盛り合わせ持って行かないでしょふつう。

 マネージャーが相方が死んだコンビの片方っていう設定が分かった時点でオチも分かるし。タイトルが勝ちすぎる。あとはフジヤマがラジオやるのに邪魔な三四郎どうするんだろ?ってだけでしょ。

 その三四郎の処理は面白かったけどな。


 それから、「バチボコ怖い心霊バスツアー」自体が面白くない。廃病院だっけ?の廊下をみんなで歩いて、UFOをみんなで呼び出して、墓地と言われる見た目はただの公園を歩く。なにそれ。

 このバスツアーに本当に金を払った人がいるの!?リアリティがないよ。ストーリーの本筋はフジヤマの話なのかもしれないけど、「バチボコ怖い心霊バスツアー」がフジヤマのラジオ番組のフリにもなってない。

 バスツアー自体をちゃんと描かないと世界観が出ないんじゃないかな。ちゃんとふれてないよ。

 「三四郎のバスツアー」なら、乗客が揃ったら三四郎の挨拶があって、トークがあって、客とのやり取りもあるだろうし、その中で客の素性がわかっていくとかでしょう?三四郎ダンマリ、乗客を仕切るのはラジオディレクターと運転手。そんなバスツアーおかしいでしょ。三四郎の負荷を下げたかったのかな?

 心霊ツアーの演出が難しいなら、その場で何も起きなかったとしても、場所にまつわる怖い話とか写真、誰がが撮った映像で盛り上げる、とか、できたのでは。

 バスツアーから生放送に間に合うかな、じゃないよ。自分で企画したんでしょ。バカなの。万が一ハプニング的に間に合わせないとしたら、それにそなえたプランがあるはず。リアリティがないんだよ。マッチポンプでハラハラして、内輪で楽しんでるだけ。


 「あの夜」には、そういうところにリアリティがあったのに。

 ナイツの土屋が褒めてたけど 本気かな、って疑うなぁ。