━少年の家にて━
「確か・・・こうすればいいんだっけな・・・?」
少年は、後輩に言われた通りにパソコンを操作した。
普段少年は、パソコンを操作する人ではなかったので、わざわざいちから教えてもらったのだ。
「早めにやんないと・・・!」
実は、少年はリビングにあったパソコンをこっそり自分の部屋に持ってきたのだ。もうすぐ姉が帰ってくる・・・・。
少年は、焦りながらも正確に操作し、やっとマイスペースを作ることができた。
「・・・・・・よし、成功だッ!」
そして少年はさらに書き足した。
『バンドメンバー募集中』
『ボーカル、エレキ、ベース、ドラム どちらでもかまいません』
「ふう!」
少年は、背もたれによりかかり、息をついた。
すると、家のガレージが開く音が聞こえたので、
「まずいっ!」
少年はパソコンを急いでシャットダウンすると、リビングに大慌てでパソコンを元の位置に置いた。
運が良く、ちょうど少年が戻した途端に姉が帰ってきたのである。
姉は怪しそうに自分の弟のことを見た。
「・・・・何かあったの?ヘンね。」
「何もないよ。・・・別に。」
少年は言い返した。
姉は、フン、と言うと、自分の部屋に入っていってしまった。
少年はいろんな安心感が湧いてきて、近くにあったソファにどかっと座り込んだのであった。