昨日、美容師さんと教育の話になって盛り上がった。
私たちの子どもの時代(私は40代)は今じゃ大問題になることがよくあったよね〜と語り合った。

・スパルタ教育の解釈が違う

当時は石原慎太郎の「スパルタ教育」という本がベストセラーになり(うちにもあった)、それに感化された親は多いはず。

興味がないので読まないが、美容師さんのお母様もスパルタ教育を実践していた。
特にその美容師さんのお姉様が標的になってしまった。小学生の時から叩かれながら、泣きながら勉強させられ本当にかわいそうだったそうだ。子どものためというより、自分のためだったのでは?と美容師さんは言う。
対照的に美容師さんは自由にさせてもらいのびのび育ったとか。

いろいろ話をしていて、私は美容師さんのお姉様と境遇が似ていると思った。

兄弟がいない私は父親から暴力を受けながら躾を受け、勉強もさせられた。それだけではない。
パワハラ、モラハラ、虐待、DVにまで及んだ。

スパルタ教育は建前であって、自分のストレスのはけ口にしていたのではないかと思う。そして、本当に我が子や家族のために考えた言動ではなかったように思う。

・親は都合のいいように記憶している

美容師さんのお姉様は今は結婚をされてお子様も大きく、年配になられている。

たまに、美容師さんはお姉様と会うといつでも「あんたはいいよね。私なんかお母さんからいつも怒られて叩かれて辛かったんだから。」と言うそう。「姉ったら未だに子どもの頃のことをずっとブツブツグチるんですよ。」と言っていたが、怒りや憎しみは年を取ってからも消えることはない。
むしろ逆に成長する。また、受けた心の傷は一生治らない。墓まで持っていく。

ところが、親といえば暴力を振るったことはあまり記憶していない。躾のつもりなので、暴力と捉えていない。
私の父親は酒を飲みながら暴力を振るっていたこともあったので覚えていないだろう。私のことをよく言うことを聞いて真面目だったと言うが、父親の暴力に怯えていただけだ。

・いろんな考え方があるが、私にとってスパルタ教育は教育ではなく調教、洗脳だ。

今、母親になり、そして教育の仕事に就いてしみじみ思う。

教育に体罰はいらない。体罰を受けてポジティブになれると思うだろうか。
むしろ、体罰を受けることで能力が伸びない。芽を摘まれてしまう。

・子どもへの虐待が増えているわけではない。連鎖が顕著になっただけだ。

なぜ今、こんなに児相への虐待相談件数が多いのかーー増えたのではなく、表面化したのだ。

件数そのものは昔、つまり私たちが子どもの頃と変わらないと思う。
虐待をする親自身も虐げられていたことが多い。
意識して止めようとしなければ、何代も連鎖していく。

テーマから少し外れたが、今の若い人はスパルタ教育を知らなくて良かったと思う。

再度言うが、教育の仕事をしてなおさら思う。スパルタ教育は教育ではない。調教だ。