昨日の名言に従い花をめでました。

雨だけど　少し開きました。白い牡丹。

可愛いホルム　鈴蘭　良い命名ですね

圧倒的な西洋シャクナゲです。

昨日は、昭和の日。昭和の父さんを記すのも魔婆の務め　と

慈雨落ちる午後に。

⓯ 不定期連載物語りもどき

姉さんは、都会の空気の中を元気に泳いでいた。

兄さんは、M大に。

夕子は、中学生。

父さんも時代を流れを組み、姉さんの大学進学

には、反対したのに　魔婆の本に父さんは、

書いています。

父さんのメッセージは、ずう〜と本棚にあります。

ゲーテ全集です。

震災で本棚は、壊滅。たび重なる余震で本は、100冊のみ

として処分しました。でもゲーテ全集は、残しました。

父さんの心が存在しているから。

当時　難しく　だいぶ経って読みました。

今、　年齢早見表を確認したら大正１０年からの表示。

明治生まれだからアップします。

青空文庫の書籍も明治時代のはオープンですものね。

多分40代半ばでしょう。身びいきで　おとな　！

と思いつつ　見れば　黒電話！後ろには事務員さんを

呼ぶベルのスイッチ。ダレス鞄。

夏の夕食が済むと夕子と散歩したものです。

父さんは、白絣の浴衣に兵児帯　愛用のステッキ。

ステッキのあしらいがスマートでした。

夕子は、リップル地に金魚がプリントされた浴衣姿。

まずは、天平美人の奥さんのいらした薬屋さん。

次は、モダンな奥さんのいらした書店。

美人が好きなのです。母さんも美人だけど太めです。

こんな事もありました。

会社でボヤ騒ぎがあり

父さんの居所がつかめず母さんは、専務さんを

問い詰めても　ダンマリと分からないでラチが

あきません。消防車が引き上げ落ち着いてから

　　父かえる　です。

謹厳実直な専務さんは、　父さんに

小火の顛末を知らせても母さんには、沈黙を

貫いたのです。

母さんの怒髪天の行き場は、専務さんになりました。

と　いうのは、会社の終業後　手提げ金庫を母屋の

母さんに託すのが１日の最後の仕事です。

母さんは、断固として専務さんに会いません。

夕子が毎回毎回預かりました。笑い話です。

父さんは、阿武隈山系の貧しい農家の長男として

生まれ尋常小学校では郡長さんに連れられて

成績優秀なる表彰式にでたのみだそうです。

その後　東京ガスの社長宅の書生として働き

東京電気学校に通わせていただいたそうです。

お嬢さんが跡見学園に通うのを

送り迎えしたと聞きました。

昭和19年に起業。昭和を駆け抜けて平成５年に幕は、

下ろされました。５０年　半世紀の泡沫の……

父さんにとって素晴らしい年月だったと思います。

車社会到来で会社は、急成長。自動車だけでは、

ダメだ　と　タイヤ販売もにない　これからは、

アメ車だと外車部門も立ち上げる。

後にアメ車は、ガソリンを蒔くように消費すると

いう事で欧州車まで手広く扱った。

晩年　闘志を注ぎ上京を繰り返したのは、

バス路線独占化に対応して新免バス認可の

たび重なる陳情だった。

運輸大臣が代わる度の陳情と公聴会の日々。

中に入ったのが登時　有名な政商と言われる人だった。

当時の中曽根運輸大臣の名は、忘れられない。

その頃　父さんは、芝生を張り鯉を放つ池を持つ

大きな家を持った。

ある日　高校下校の折　大きな外車が門の前に

運転手さんと駐車していました。

見なれぬ素敵な車の後部座席に女人が外を見て

座っていらっしゃいました。

目が合ったので夕子は、会釈しました。

なれど女人は、答えず　すーっと視線を逸らしました。

テレビで見る　美しい女優さんでした。

東京からいらした政商さんの自動車でした。

　　つづく

父さんの昭和

父さんの昭和　