Un bel giorno di tredici -32ページ目

Un bel giorno di tredici

~ある素敵な13日~

イタリアに関することを中心に、
楽しいこと好きなことを書いていきます。

『キアラ』

(CHIARA)

監督:スザンナ・ニッキャレッリ
出演:マルゲリータ・マッズッコ

 

アッシジの聖キアラの物語。

女性修道会の為に始めて会則を書いた聖キアラ。

1211年、男性の加護の元でしか生きられなかった

女性達を自由と自立に導いた彼女の人生を描く。

 

 

13世紀、女性の立場は今と違い

父親、兄弟、夫など、

男性の加護の元で生きるという選択しかなかった。

そんな中、この映画では

聖キアラの人生を通して、男性の所有物ではなく

一人の人間として生きる女性の尊厳について描かれている。

 

一場面一場面は、とても美しいんだよね。

ミュージカル要素も多く、

生きる喜びが表現されていた。

女性達がベールを脱いで、キアラの元に集まるシーンも

人間の強さや解放される喜び、

自らの選択で自由を手に入れる美しさが表現されている。

 

聖キアラが聖人を想像するシーンは、

まるで絵画の様に映像が作られていて美しかった。

 

 

この予告編だけを見ると、

暗闇の中にあっても光と共に生きる芯の強い、

信仰深い女性として

聖キアラが描かれてるように見えるんだけど、

実際に全編を見ると、印象ががらりと変わる。

 

正直なところ、

私が持っている聖フランチェスコのイメージとは

かなり違った描かれ方をしていた。

ずっとアンニュイな感じだし、

キアラの力になってくれなかったり、

男性だから自由にスルタンに会いに行けたり、

という描かれ方をしていて、

私の中の聖フランチェスコのイメージとのギャップに、

ついていけない部分が多かったかな。

 

聖キアラも石の柱を拳でぶん殴ったり、

「これは奇跡ではないわ!あなたバカなの!」

と怒鳴ったり、激しい感情が描かれている。

女性だからという理由で、

得られない自由や権利・尊厳について憤り、

聖フランチェスコに対してすら、

ある種、嫉妬に近い感情を持つシーンもあった。

 

私の中では、

聖キアラは穏やかなだけでなく、

芯に情熱を秘めて行動するイメージがあるだけに、

そのイメージとも合わなかったかな。

 

聖キアラの奇跡にまつわるエピソードの中で、

自分は聖女ではなく一修道女として、

皆と生きたいという想いが描かれていたのは、

本質を突いていたのかも。

 

ちょっと・・・

この映画を観た人みんなの感想を聞きたい。

映画を観た後に、そう思うことが出来るって意味では

良い映画といえるのかな?

 

イタリアでも賛否両論だったんだって。

酷評も多かったのだとか。

「・・・でしょうね。」とも思うよ。

 

聖フランチェスコも聖キアラも、

キリスト教も、イタリアの歴史も、

全然、何にも知らない人が見たら、

映画のメッセージを直感的に受け止められるのかもね。

 

イタリア人でローマ出身の

スザンナ・ニッキャレッリ監督が

この作品を制作したっていうのも興味深い。