仕事には行かず
窓辺に寝そべって
雲の形を眺めていた
それから
マルコポーロという名前のついた
フランスの紅茶を淹れた
読みかけたままだった小説を手に取った
他人の人生の悲喜を愉しんだ
小春日和

久しぶりに夢を見た
死んでしまった彼が現れた
ほほえんでいた
ずっと待ってたよと言ったけど
返事はなかった

仕事には行きたくなかった
実家の母が病気で駆けつけると電話した

暖かな思い出が苦しい
何も振り返りたくない
月日が随分と過ぎて
寂しいとか悲しいとか
そんな言葉は口に出すこともできなくなった
今日明日の現実が耐え難い
幸せな人々の間で生き続けなくてはならない
何も考えたくない
誰とも話したくない