飼い猫のことを、
お話したいと思います。



初めて"あお”に出会ったのは、
あおが生後2週間のころ。


義理の父の家の屋外水栓のそばから、
かすかに鳴き声が聞こえました。


父に尋ねると、
「母猫が戻ってこず、もう二、三日ずっと鳴き続けている。
 今日か明日には、きっと…」

そんな言葉が返ってきました。


私は、
目の前で途絶えかけている小さな命を、
どうしても見捨てられなかった。

家族の反対を押し切って、
あおを連れて帰ることにしたんです。



尻尾には毛がなく、
まるでネズミのよう。


泥まみれで、
どこが顔かもわからず、
ちゃんと息ができているのかさえ心配になるほど。


そこから始まった、
夜通しの授乳。


でも、
それは少しも苦ではありませんでした。


ただ、ただ、愛おしくて。