彼から慌てて「会いたい」と電話がきた
数日後の夜、家までBMWで迎えに来てくれ、
新宿パークハイアットホテル最上階の
ニューヨークバーに連れていかれた
天井まで届くガラス窓の外一面、
きらめく夜景にぐるりと囲まれたムード満点のバー
しかし夜12時近いの混んでいて、
夜景などまったく見えない席に案内された
そこで黙って二人カクテルをすする
「いきなりのメールに正直、びっくりしたよ。
俺・・・
っていうかきみのこと、
愛してる!!!」
大きい声で言われて、
店員やまわりの人がチラリとこちらを見るのがわかった
正直、超恥ずかしかった・・・
そして、気持ちがまったくなくなってしまった今、
(最初からほとんどなかったケド)
こういうシチュエーションはただただ、
重いばかりだった・・・
何を言われても、ひたすらごめん、と言い続けた
ようやく彼もあきらめたようで、私はタクシーで帰るといったが、
また家に送ってくれるという
駐車場で車に乗り込み、出発したとたん、ガコッとすごい音がした
BMWの左側のサイドミラーが折れていた・・・
「うへぇ・・・やっちゃった・・・」
左により過ぎたようだ
そのまま家まで送ってくれた
車から降りると、小さな包みを渡された
「ディズニーアニメ、英語の勉強もかねてよく見てたでしょ。
ライオンキングIIが入ってるから。」
そして今度はトランクを開けてすごーい大きな板みたいなのを取り出した
「きみの部屋にラッセンのポスター貼ってあったでしょ。
あれの夕陽バージョン額入り、
俺、すごい気に入ったからぜひこれも飾ってほしいな」
ううう・・・重い・・・
とりあえずありがとうと受け取ると、
片方のサイドミラーが変な角度に曲がったBMWは走り去っていった
その後何度か電話がきたが、
次第に遠のいていった
最近の出会い系はとても危険な感じだが、
この頃はさほどでもなく、
こんなほのぼのとした(?)出会いもあった
この後つきあった女の子も、
その後結婚した現オットもネットで知り合った
私にとってはネットはドラエモンのポケットだ
と思っていた
(今は思っていない、念のため)
長年の彼氏と別れ、
タイミング悪い男ともかけちがい、
やっぱり孤独な日々
一人ぼっちでいられない病の私
そう都合よく出会いの場もないので、
初めて、出会い系サイトなるものをのぞいてみた
で、なんとなくおもしろそーだなーと思う
一つ年上の男性に試しにメールしてみた
テンポよく歯切れよく、カジュアルで、
でもまじめなところも垣間見えるような返事にちょっとキラリ
何度かメールでやりとりしたあと、今度は電話で話すようになった
毎回すっごく楽しい電話で、笑いっぱなし
誰に似てるって言われる?と聞くと
「椎名詰平」
もうすっかり彼に夢中になっていた
そしていよいよ初デート
新宿地下ロータリーに止まっている深緑のBMWに
どきどきしながら近づいていって窓をコンコン
中から出てきたのは、
サーファーっぽいラフな服装で、痩せた小柄な茶髪の男性
あれ・・・椎名詰平は・・・どこ???
(メールが長いと想像ばかりがふくらんで
現実とのギャップが・・・厳しい・・・)
と悟った
ここ1ヶ月ほどのわくわくした胸の高まりが急にしぼんでいく
しかしあれほど盛り上がっておいて、
会ったとたんさよならなんて、言えない・・・
それからしばらくデートを続けた
一度私の友達と一緒に食事をした時、
あとで友達が
「前彼と別れて寂しいのはわかるけど、
あそこまで(レベル)落とさなくても」とキツイコメント・・・
いつも電話やメールはすごく楽しいのに、
会うとなんだか・・・な状態のデートが続いた
そろそろ次のステップに行きそう・・・どうしよう・・・やめる?続ける?
てときに、(なぜだか)女のコの彼女ができた
気持ちがあっさりそちらにうつってしまい、
彼には”ごめんなさいメール”を書いた
(つづく)