さて
40半ばになり、独身でいることの不安や淋しさを感じるようになって。
男の人なんて面倒くさい、セックスのあの不快感を味わうのはもう嫌だ。
そんな気持ちを押しのけて、結婚してみたいという願望が初めて真剣に湧いた。
結婚して、家庭を持ちたい。
心からそう思ったのは、本当に40代半ばを過ぎてからだった。
まっとうな家庭、というものへの憧れ。
私は、ひどくワンマンで自己中心的で思いやりの無い父と、可愛がってくれない祖母・親戚たち、
そして私をモノのように扱い続けた義理兄の家で20歳まで生活してきた。
それに堪える母の姿も長年見てきたため、しじゅう心が休まることは無かった。
どんな家庭あれ、幼い頃からそういう場所に置かれていれば、それが自分にとっての「普通」となる。
自分の基礎、土台が作られる場所だ。
それがどんなものであるかが、人格形成に非常に影響を与えると言われているが、
私も身をもって感じている。
よその家の、小さな子供を見ているとよくわかる。
元気に笑顔であいさつが出来る子は、親も愛想が良くて常識的な人が多い。
大人が相手でも物怖じせずお喋りが出来る子は、両親の愛情を浴びるように受けているのだと思う。
愛されて、安心しているという感じ。
私のように、大人の前に出るとおどおどしてしまうような子は、家でも何かに怯えているのだろうと思う。
例えば私は小さい頃、前方から知ってる大人が歩いてきたとき
「こんな子供が挨拶しても、相手にしてもらえないかも」
なんていう不安を持ってしまい、おどおど小声で挨拶した記憶が多々ある。
当たり前に愛されて育った子は、
相手に受け入れられないかも、という不安をそもそも持っていない。
子供の、屈託のない笑顔。
そういうものに出会うと私は、微笑ましいと思うと同時に
泣きたくなるほど羨ましくなってしまう。
自分の中の子供時代を、どこかに隠してしまいたくなる。
これを、コンプレックスというんだろうなあ・・・。
羨ましいと思うだけで、実際の家庭はイメージ出来ない。
付き合っている男性がいる時でさえそうだった。
けれどある程度年齢を重ね、たくさんの人と出会い自分も変化し、
40代半ばを過ぎて、「今ならこんな家庭をつくりたい」とイメージできるようになった。
今度こそ、一緒に家庭を築ける人を探してみよう。
そう思い立って、結婚相談所に登録することにした。

