野鳥の肖像写真を思い付いた時、最初に撮ったのは目白だった。

手持ちのズイコー300mm/F4の最短撮影距離が1,4mで、その時の最大撮影倍率が0,24倍だった。

これはフルサイズ換算だと0,48倍になり、2倍のテレコンバーターを噛ませば略等倍で撮れる事になる。

これがフルサイズのソニー600mm/F4だと最短撮影距離は4,5mで、その時の最大撮影倍率は0,14倍でしかない。

これだと2倍のテレコンバーターを噛ませても高々0,28倍なので撮る気が失せる。

と言う事で取り敢えずズイコー300mm/F4で撮ってみた。

その時、偶々庭に居たのが目白だったというだけの事で、深い意味は無い。

ブラインドを設置して待つ事十分、初めの内は仲々近くには来なかったが顔馴染みの個体故、近くに来るのに時間は掛らなかった。

しかしながら近くに来て、目の前に居るのにファインダーに捉えるのが一苦労。

ファインダー内に捉えても少し動けば、直ぐに又ファインダーから消えてしまう。

そんな事の繰り返しの後、何とか慣れて捉えられても仲々合焦させられない。

幾らAFとは言え指の第一関節位しかない目白の顔の中の、更に小さい瞳に合焦させるのだからそんなに上手く合う筈が無いのは当然だろう。

何とか良い方法は無いものかと考えたが、当時は未だ鳥の瞳に合焦させて呉れる機能は無かった。

で、兎に角ターゲットを動かしながらシャッター釦を押しまくった。

数百枚写してみたが只の1枚も合焦してはいなかった。

その後も色々な事を試したが、そもそも画面内に目白の顔が真面に写っているのが少ない上に、目の近くに合焦しているのさえ殆ど無い有様だった。

今はもう忘れてしまったが、兎に角思い付いた事は一通り試してみた結果数枚だけ目に合焦しているのが撮れていた。左向きの目白の顔の大写し

多分、これが最初の1枚だったかと思う。

1枚撮れれば、その時の手応えを基に更に色々試しながら徐々に歩留まりが良くなっていった。

良くはなっていったが恥ずかしくて他人様に言える様な数字ではない。

口を開けた左向きの目白の顔の大写し

個人的には、初日にしては上出来だと思いたい。

この時に得た教訓は、ピントの外れた多くの写真も決して単なるピンボケでは無くて、確り合焦した1枚を撮る為の礎だという事である。

それを得て勝手な屁理屈だと思うならそれはそれで構わないが、色々試した結果得られた私にとっては貴重な経験である。

 

以後、この日の経験を基に色々な鳥で同じ事を試してみて、少しずつコツらしきものを掴みかけた。

顔を大きく撮る為には目一杯近付けなければ話にならないが、幸い子供の頃の鳥捕りの経験が役に立ち、比較的簡単に野鳥に近付けている。

とは言えブラインド無しでは無理なのは言う迄もあるまい。

右向きの目白の大きな顔

瞳に確り合焦させるのはかなり難しいが、肖像写真の基本だ。

目白の頭頂部の網代模様の大写し

鳥の頭頂部は美しい網代模様が多い。

右向きの目白の顔の大写し

 

額に水滴の付いた右向きの目白の顔の大写し

10年間も飼育していたのに、目白のアイリングは上が二重で、下は三重なんて知らなかった。

ま、当時は良い声で囀ってさえ呉れたら姿形はどうでも良かった。

葉陰で上を向く目白の顔の大写し

偶にはこんな可愛いのも撮れる。

撮れた写真を観ているだけでは解らないだろうが、目の前に居る鳥をファインダー内に捉える事がこれ程難しいとは思いもしなかった。

是等の写真は未だ、被写体検出の鳥AF機能が備わっていない旧いOLYMPUS OM-D E-M1Xで写したものなので、ターゲットを移動させながら撮影した。

今は、被写体検出の鳥AF機能が備わっている最新のOM-1/MK2を2台使用しているが、最短撮影距離付近では必ずしも鳥の瞳に合焦させては呉れないので困っている。

 

私の腕が悪いのか、それとも私の所有している個体が2台共偶々不具合を起こしているのか、或いは機構的に最短撮影距離付近では上手く合焦しないのかハッキリさせなければならないと思っている。