コーヒー & シガレッツ | にゃ~・しねま・ぱらだいす

にゃ~・しねま・ぱらだいす

ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

角川エンタテインメント
コーヒー & シガレッツ (初回限定生産スペシャル・パッケージ版)

【原題】COFFEE&CIGARETTES

【監督】ジム・ジャームッシュ

【主演】トム・ウエイツ、ケイト・ブランシエット他

【オフィシャルサイト】http://coffee-c.com/


コーヒーとタバコ、そして小洒落た会話。それで人生は楽しくなれる-。

合コン受けお洒落映画監督ジム・ジャームッシュが手掛ける11本の短編。全編こだわりのモノクローム。


大女優としてパパラッチに追っかけまわされるケイトの高級ホテルのカフェに、久方交流のなかった

いとこのシェリーが訪ねてくる。エスプレッソとタバコの煙の流れる中、その日暮らしのシェリーは、

スポットライトを浴び続けるケイトに嫌味をぶつける。大人の態度で交わしながら、近況を尋ねるケイト。

今ひとつ噛み合わない会話は、2人の今の立場と流れた時間を物語る。

…などコーヒーとタバコがあるカフェの一風景を切り取り、意味がありそうでどうでもいい会話が

繰りかえされる11本。


ジム・ジャームッシュと言えば、小粋な会話と速効的な独創的撮影手法で80・90年代を駆け抜けた

シブヤ系ミニシアターお洒落映画の代表格だった。『ミステリー・トレイン』では今や国際的(?)女優と

なった工藤夕貴を起用し、先見の明を持ちあわせていた。

あの頃から彼の手法は基本的にあまり変わっていないように思う。


しかし、きっとあの沈滞した時代だったから受け入れられたのかもしれない、と今になっては思う。

この1時間半は眠気を誘うほどに退屈。

実際にコーヒーを呑みながらタバコをふかしていた方が余程マシ。

主演のトム・ウエイツが『この脚本のドコが面白いんだ?』と激怒したらしいが、激しく同感。

何時まで経っても展開しない話と不毛な会話の応酬に完全にグロッキー。

最後まで見るのがこれほど苦痛だった作品も久方ぶり。


好きな監督だっただけに何とも残念だが、もうジム・ジャームッシュの時代は終わったように思う。

彼の作品を今後もう一度見ることがあるのかどうか、今はあまり自信なし。



【評価】☆☆☆☆☆