今回はワタクシ、自称シネマイクスピアリの映画宣伝マンがお届けします!
今まで20タイトル以上の名作アニメーションを紹介してきたこのブログも、いよいよ最後の1作品です。
オオトリはこの作品、その名も「戦場でワルツを」
「戦場でワルツを」(2008年)
配給:ツイン
(C) 2008 Bridgit Folman Film Gang, Les Films D'ici,
Razor Film Produktion, Arte France and
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ところで皆さんは「東京フィルメックス」という映画祭をご存知でしょうか?
派手な打ち上げ花火のような東京国際映画祭と比べると、まるでロケット花火のような鋭さと質の高い
セレクトが魅力の映画祭で、毎年東京で開催されています。
この「戦場でワルツを」は、そのフィルメックスで2008年にお披露目され、見事最優秀作品賞を獲得しました。
さらに2009年度のアカデミー賞では外国語映画賞にもノミネートされ、「おくりびと」と賞を争った経緯もある、お墨付きだらけの名作なのです。
今回の特集上映で、私がどうしても上映したかった一作です。
さて、そのストーリーとは…
ある日、映画監督アリ(この映画の監督本人です)の元に、悪夢に悩まされているという旧友が尋ねてくる。
2人はともに24年前、レバノン戦争に従軍していた。
しかし、アリには当時の記憶がまったくない。
そのことをきっかけに、アリは自分の失われた記憶を求めて世界中の戦友たちを訪ねる旅に出る。
やがて浮かび上がる過去の戦場体験と、絶望の記憶とは…。
この作品の特徴は、一風変わったドキュメンタリーアニメだということです。
アニメーションというジャンルを一つの手法として使って、監督が伝えたかった“リアル”を描いているのです。
もともと「アニメーション」なのではなく、最適な表現のために選ばれた手法が「アニメーション」だった、ということかもしれません。
もしも戦争をテーマにしたこの作品が実写のドキュメンタリーで作られていたら、地味で重いだけの映画になっていたかもしれませんね。
というように、シリアスでなかなかヘヴィーな題材ではありますが、アニメーションの可能性を拡げた名作の一つだと自信を持っておすすめする「戦場でワルツを」を、ぜひお見逃しなく!
そして、最後の最後のシーンまで、ジックリと見てみてください。私はこれほど凄まじいラストシーンに出合ったことがありません…。
今まで「ANIMATIONS&FUN」に長らくお付き合いいただいた皆さま、本当にありがとうございました!! やっぱり映画は、そしてアニメーションは最高!