緊急事態宣言解除明け。アクション映画一本目。

 

待ちに待った。アクション映画の最高峰の最終章。『イップ・マン4 完結編』。

 

名古屋のセンチュリーシネマ矢場町スクリーン6にてウォッチしてまいりました。

 

『イップ・マン3 継承』で上映された時と同じスクリーン。

 

正直、僕にとっては『トイ・ストーリー3』並みの完成されていると思った『3』だったので、

見るのが楽しみのような。怖いような・・・そして終わってしまうこと自体が残念のような。もやもやも抱えながら劇場に来ていました。

 

スクリーン6は『シェイプ・オブ・ウォーター』の劇中に出てきた劇場みたいな特別な高揚感を与えてくれる演出。久しぶりにアクションを見る映画館として本当に気分を上げてくるんですよね。

 

上映前。クーラーが若干寒いねと言っている中年カップルがいたので仁の心で

劇場スタッフに温度を下げてもらうようにそっと言いに行く。

 

人に少しだけ優しくなれる映画。それがイップ・マン。

 

開幕のカーテンロール。イップ師匠の抱拳礼から始まる映画マナーの呼びかけ。この丁寧さがいい。

 

映画の内容は概ねこんな感じです。

 

舞台は香港から米国へ。がん宣告を受けてしまったイップ・マン(ドニー・イェン)は弟子のブルース・リー(チャン・クウォックワン=『少林サッカー』のブルース・リーの人ですね)の誘いを受け単身で米国に渡航する。

 

そこで目にするのはサンフランシスコで同郷同胞である中国人たちが堪え続けている偏見と差別という厳しい現実であった。

 

中国拳法を特に敵視する海兵隊軍曹バートン(スコット・アドキンス)にケジメをつける為、同郷同胞の為、イップ・マン最後の戦いが始まる。

 

・・・トゥルールールールー♪トゥル、ルルルルー♪トゥルルルルル~♪

(ここで劇中『葉門』のBGMがファンの脳内で溢れる)

 

アクション映画歴史的に見れば、再度ブルースリーと邂逅するところに重きが置かれるところですが、僕はむしろイップ師匠の一人の父親としてのドラマパートが心にどしんと響きました。

 

何度か過去作も見直していますが、「イップ・マン シリーズ」は本当に『3』からドラマパートがすごい好きになった。

 

あまり言及として避けるべきなのかもしれませんが映画の世界の外としての「香港」2020年7月の今を知っている僕たちとしては…流石にやっぱりね。

 

イップ師匠と対をなす太極拳の達人ワン・ゾア師匠(ウー・ユエ)。あのそれぞれ二人の父親の親心にはいろいろ考えさせられてしまう事間違いないでしょう。

 

ワン師匠の娘ルオナン(ヴァンダ・マーグラフ)から逆にハッと息子との関係性を考えさせられるイップ師匠のシーン。

 

本当の気持ちを打ち明け父ワンとぶつかるルオナン。それぞれが相対的かつ相関関係な見せ方になっていてるんですね。

 

拳に家族を守る矜持をのせた互いに引けない気概を高めていく描写がスクリーン越しにもひしひしと伝わってくる。

 

静かなる大人のもがきの心情。その迷いを振り払うための拳。ストーリーの背景の先としてのアクション(闘い)がストーリーの組み立ても素晴らしく、『4』という完結にふさわしいアクションになっています。

 

壮年期に達したイップ師匠の対バートン戦。ある意味、シリーズ中、実践的かつ老獪な戦いは絶対に劇場で見ることをお勧めします。

 

あのそっと息子の肩をたたくシーンと過去作のフラッシュバックシーンのラストで涙腺崩壊してしまう人も多いかもしれません。

 

最後の戦いの見届け人になるためにも是非是非お近くの劇場でウォッチしてください。

(小さく抱拳礼)