聖母マリアのような構図。
しかしこの抱えられている“子”は、この女性が産んだのではない。 母羊が産んだ子。
そして、父親は・・・?
朝イチで観て来たワ。 北欧スリラー。
お客さんもそこそこ入っていた。
「禁断(タブー)が、産まれる。」とのコピーに誘われたんでしょうね、アタクシみたいに。
しかし、なんかちょっと思っていた禁断(タブー)っつーのとは違う???
「そーゆー話かいっ!?」って展開にも驚いたし、いや、よく考えたら冒頭でそんな感じではあったけれど、いや、でも、それはちょっと・・・、な流れだった。
アイスランドの“ポツンと一軒家”。
見渡す限り1本の木も生えていない風景。トッキントキンの“槍ヶ岳”の山麓で暮らす、羊飼いの夫婦。
1頭の羊が産んだ異様な“仔羊”を、夫婦は我が子のようにして育てる・・・。
最初はどう見ても仔羊。 頭部・顔くらいしか見せないからね。
でもでも、その異様な姿は小出し小出しに映し出され、「あー、なるほどね。」と。
ま、予告編でも流れていたから分かるけれど、どうやら首から上は羊で、その下は人間っぽいワケだ。
実際にはもう少し、羊と人間の混ざり具合は複雑になっていた。
まず普通、真っ先に思うのは、そんな生き物がなぜ誕生した?、ってことだけれど、産んだのは羊。 だったら“父親”は?って。
アタクシ、色々と考えましたわョ。 考えられることは1つだけれど。
でも、夫婦とも何も疑問に思わず、喜んでその“子”を育てているから不思議。
ま、そうするだけの理由(過去)もあるようだし、それにしても普通なら、夫婦間に溝が出来そうなものだけどな。
ま、最初のほうで「時間旅行が可能になった」という話題が出ていたから、そんな世界での話だと思えばこれもアリか。
夜でも明るい、というか、日が沈まず1日中薄暗い中で繰り広げられる「神話」と見ればいいのでしょうね。
「神」の怒りをかってしまったかのような夫婦だけれど、では、一体この2人はどうすべきで、そして“仔羊”にとってもどうすることが一番良かったのだろう?、という思いが残った。
成長していく“仔羊”ちゃん。
見た目もしぐさも普通なら可愛い~、って感じになるんだろうけれど、終始全くならなかった!
それほど不気味な世界。
その世界観を演出していたのが、
羊たちをはじめ、犬、猫、馬といった動物たちの演技!
演技ったって要するに表情なんだけれど、映し方ひとつで彼らの感情に思えるから凄いワ。
※ 以下、観る前までの妄想(ネタバレに通じる)。
「禁断(タブー)」っていうんだからきっと、ダンナさんが羊におイタしていて“仔羊”ちゃんが産まれちゃったのかと思っていたわョ。
だって、なんかそんなこともありそうな、土地の様子や夫婦の暮らしだもん。
で、自分で産んだ子を亡くしていたこともあり、妻はそういうのに気づいていても、素知らぬフリでその子の生まれ変わりと思い、大事に育てているのかと。
で、で、いつか、何かが起きたことをきっかけに、それまで何も無かったことにしてあげていた夫に対し怒りが爆発し、銃を向けバン!っと・・・。
そして、母と“子”は初めから2人だけしかいなかったかのように、荒涼とした土地で暮らしていきましたとさ。
ってなるかな、と思っていたけれど全然違っていた^^;
仔羊ちゃんの育ての父親も実の父親も、まさかの展開よ(笑);