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夫が借金残して倒れた日から

2021年2月、夫は借金を残したまま倒れ、寝たきりとなってしまいました。その後高度障害認定により借金完済。そして2022年6月永眠。いろいろな思いや、生活のこと、お金のこと。忘備録を綴ります




私は以前から娘に夫の借金の話をしていた
話というか報告


もうマンションを売らなければならず
その売却代金で借金を返す予定だと


夫が倒れる前は、その話に納得していた娘
そうなれば、自分は付き合っているカレと一緒に住むかな、なんて言っていた


ところが、夫が倒れて
私が代わりにいろいろやらなくてはならなくなった今


娘はマンションを売ることに反対しはじめた


なんとしても
お母さんの住まいとして
このマンションは売らないほうがいい

そう言うのだ


たしかにそうだけど
夫が働けなくなった今

あと13年残っているローンを
私のパート代で払い続けるのは無理


じゃ、賃貸に引っ越して
その家賃は払えるの?と聞かれれば


……


相当安いところがあれば…だけど
あるのだろうか…
私が家賃を払えるような賃貸


それに、せめて息子が大学を卒業するまでは
2人で住めるところにしなければ


そうなると、結局、住居費としては
今の住宅ローンと変わらなくなるだろう


自分もローンを払うし
借金の返済も手伝う、と娘は言う

「住宅ローンがなくなれば
お母さんはここにずっと住めるでしょう

そのほうが、正直、自分も安心なの」


ありがたかったけれど
これから結婚も想定内にある娘に
返済の肩代わりはさせられない

なので、それは断わった


ほんとうに…

この先どうしたらいいのだろう…


この時、夫は大変な状況だというのに
私の頭の中はお金のことが8割、夫2割くらいしか
夫のことを考えてあげられなかった


こんな状態になったのだから
支払いが免除にならないか弁護士に聞いてみよう

入院したことで、何かお金がもらえるような事はないのか

そこで思い出した


住宅ローンの団体信用保険…

それに高度障害がついていたはず
高度障害の場合、支払いが免除になる…


夫が以前リストラされたとき
少ない退職金だったけれど
住宅ローンの繰り上げに使おうと思ってた

「いや、それまでに俺が死んだり、寝たきりになったりしたら保険が降りるんだから繰り上げしないほうがいいんじゃない?」

そんなことを聞いた

娘と保険証書を調べたら
やはり、高度障害状態で住宅ローンがなくなる


お父さん、意識戻る確率少ないみたいに
先生言ってたもんね

まるで夫の意識が戻らないことを期待しているような
自分たちの会話


情けなく、悲しかった


けれど私の望みは変わっていない
それは今でも変わらない

もし、もしできることなら
奇跡が起きたなら


夫の意識が戻って、夫が笑顔で戻ってくる
前ほど働けなくなってもいい

細々と生きていければそれでいい
別に分譲マンションじゃなくたっていい


悪いけど、子供たちは自立してもらって
夫婦2人どうにか暮らしていければそれでいい

どうして私は
気づかなかったのだろう


夫が倒れる前
私は借金やマンションを売る事で
散々夫を責めた

仲良くなかった

どうして私は
気づかなかったのだろう

2人で毎日その日のことを話す
一緒にテレビを観て笑う

それがどんなに幸せなことだったのか

私はまったく気づけずにいた


夫が倒れたことは
傲慢だった私への罰だ


娘が言う

お父さんには悪いけど
まずはお金と生活が落ち着いたら
ゆっくり治ってもらおう

わたしだって、お父さんは治ること前提だから

まったく理屈の通らない
根拠のない言い分だけれど

なぜか私の心にストンときれいに落ちた

そう折り合いをつけないと
行動ができなかったのかもしれない