試験場も遅い春が。震災のとき皆さんの協力で植えた偕楽園の名梅「月影」が開花始めました。先月は創作会員の日下部正和先生が亡くなられて、蕾の膨らんできた三春滝桜の分枝株も形見となりました。まもなく株元の手入れをします。

日下部先生には、家族ともども震災で壊れ切った心を随分と支えてもらいました。また先生の景徳鎮での薪窯潮流への貢献も計り知れません。これからご紹介していく試験場景徳鎮は日下部先生との合作になります。非常に滑らかな胎で筆の運びと顔料の乗りが全く違います。「月影」の生けてある花瓶はやはり震災直後日下部先生と焼成した作品です。英国の古い茶箱と並べても馴染みます。現代の西洋磁器を隣に置いてもフォルムや色調が合いません。手仕事と薪窯のなせる業です。